使用の目的:水道水中の残留塩素除去
類似した成分:ビタミンC、活性炭
亜硫酸カルシウムとは浄水器等に利用されている成分で、化学式CaSO3で表される亜硫酸塩の一種です。一般的に利用されているものは亜硫酸カルシウム0.5水和物と呼ばれている成分で、常温では白色の粉末状の物質で、水に僅かに溶け、油に溶けにくい性質を持っています。工業的には岩石に広く存在する炭酸カルシウムを加工、精製することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた残留塩素除去能力が挙げられます。水に僅かに溶けた亜硫酸カルシウムは水中で還元剤として残留塩素(次亜塩素酸)と作用し、塩化水素と硫酸カルシウムを発生します。塩化水素や硫酸カルシウムは水に溶けやすく、また、残留塩素よりも刺激性がかなり低いため、利用することによって肌や髪へのダメージを減らすことができます。そのため、亜硝酸カルシウムは水道水の塩素除去を目的とした家庭用の浄水器や浄水シャワーヘッド向けの成分として利用されます。
亜硫酸カルシウム自体には肌への刺激性がありますが、浄水器や浄水シャワーヘッドとして、使用法を守って利用する分には水への溶出も少ないため、安心、安全に利用することができます。また、他の成分と比較して塩素の除去性能とフィルター寿命のバランスが優れていること、コスト優位であることから、普及価格帯の製品の多くが亜硫酸カルシウムを取り入れています。
しかし、亜硫酸カルシウムの浄水機能は塩素除去に特化しているため、求める効果によってはビタミンCや活性炭など、他の成分が用いられることもあります。ビタミンCは亜硫酸カルシウムと比較してランニングコストに劣りますが、塩素の除去性能により優れ、軟水化も期待できます。また、活性炭は亜硫酸カルシウムと比較して反応速度に劣りますが、幅広い物質を吸着するため、配管の錆びや汚れなどによる水質悪化を改善することができます。
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