バスタイムにビタミンC、どんな効果が期待できるの?

人気記事

お風呂にビタミンC?

  貴方はスキンケアに嬉しい成分として、どんなものを思い浮かべますか。しっとり肌に導いてくれるグリセリンやヒアルロン酸、肌によく馴染むオリーブ油、様々な効果が期待できるプラセンタ等、多くの成分が化粧品に取り入れられていますが、中でも「ビタミンC」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。ビタミンC(誘導体)はプチプラの化粧水や美容液でも定番の成分で、抗酸化作用に優れ、シミ、ソバカスの予防や肌のハリを保つ目的で利用されています。サプリメントとしても定番の成分で、「肌につける」だけではなく、錠剤として飲んだり、中には点滴を打ったり、といった経験をした方もいらっしゃるでしょう。

 すっかりお馴染みのビタミンCですが、最近では私達のバスタイムにも寄り添う存在となりつつあります。ビタミンC、ビタミンC誘導体が取り入れられた入浴剤、ビタミンCの粉末を入れたシャワーヘッド等、色々な製品が発売されており、利用することにより、日焼けによる活性酸素でダメージを受けた肌をいたわることができます。そして、バスタイムのビタミンCの効果はそれだけに留まりません。実は、ビタミンCはシャワーや浴槽の水道水に含まれる成分と反応することによって、私達にとってより嬉しい効果を発揮します。

ビタミンCと水道水の相互作用①残留塩素の除去

 ビタミンCが水道水にもたらす嬉しい効果の1つとしては、残留塩素の除去が挙げられます。ほとんどの方は普段の入浴に水道水を使っているかと思います。誰でも手軽に利用でき、飲んでも安心、安全な水道水ですが、殺菌のために塩素、もしくは次亜塩素酸ナトリウムを利用するため、微量の次亜塩素酸イオンが含まれています。普段はそんなに気にしなくても良いのですが、肌がダメージを受けて敏感になっている場合、少量でも刺激を感じてしまうことがあります。また、髪の毛の表面に存在するキューティクルと呼ばれる組織は塩素によるダメージを受けやすく、パサつきや色抜けの原因となってしまいます。

 ビタミンCは自身が酸化されることによって抗酸化作用を発揮しますが、水道水に加えると次亜塩素酸ナトリウムと反応することによって酸化、中和され、いずれも肌にとって無害な酸化型ビタミンCと水、塩化ナトリウム(食塩)が生成します。水道水に含まれる次亜塩素酸イオンは微量であるため、浴槽に一杯に張った水を1gにも満たない量で中和することができます。塩素除去を目的としたシャワーヘッドには亜硫酸カルシウムや活性炭の方が多く用いられますが、ビタミンCを用いた場合、カートリッジや薬剤の交換、補充の頻度は高くなるものの、塩素の除去率(理論的にはほぼ100%)において他の製品より優れています。

ビタミンCと水道水の相互作用②「軟水化」

 ビタミンCがもたらすもう1つの効果は水道水の「軟水化」です。海外旅行の旅先で、ボディーソープやシャンプーの泡立ちが悪かったり、髪がきしんだり、といった経験をお持ちではないでしょうか。これは水道水に含まれるカルシウム、マグネシウムが原因です(金属イオンの量が少ないものを軟水、多いものを硬水と呼びます)。これらは直接肌や髪にダメージを与えるものではなりませんが、界面活性剤と反応することによって、「金属石鹸」(いわゆる石鹸カス)を生成します。この金属石鹸は水に溶けずに髪に蓄積するため、髪のごわつきやきしみの原因となります。また、この状態では界面活性剤は洗浄力を発揮しないため、髪や肌の汚れを十分に落とすことができません。

 ビタミンCを水道水に加えると水中に含まれる金属イオン、特にカルシウムイオンをキレート作用によって取り込みます。取り込まれたカルシウムイオンは水中で安定化され、界面活性剤との反応性が低下するため、界面活性剤の洗浄力は十分に保たれ、また、金属石鹸も生じないため髪のきしみも軽減されます。この作用はあくまでも「結晶化を防ぐ」ものであり、金属イオン自体を取り除くためには「軟水器」と呼ばれる大掛かりな装置が必要になりますが、ビタミンCを用いるだけでも十分に効果を実感することができます。

 ビタミンCを「浴びて」みませんか?

 このように、ビタミンCは肌に直接働きかけるだけではなく、水道水の「塩素除去」と「軟水化」を通して、貴方の肌や髪のお悩みを改善することができます。特に「軟水化」については、亜硫酸カルシウムや活性炭といった一般的な浄水装置が苦手な分野のため、水が硬いといわれている関東地方や沖縄、海外にお住まいの方にとってはシャンプーやボディーソープの泡立ちや洗い上がりで効果を実感できるでしょう。

 しかし、水のお悩みの種類によっては、解決にビタミンC以外のものを利用した方が良いケースもあります。貴方が築年数の経過したマンションにお住まいの場合、問題はむしろ配管の錆や汚れが原因かもしれず、その場合は、活性炭フィルターを使って取り除いた方がより効果的です。また、一般的に水道水の硬度が低い地域では軟水化が必要ないため、塩素除去に特化した亜硫酸ナトリウムの方がコストも安く、より多くの商品から選ぶことができます。

 色々とスキンケア、ヘアケアを試してみたけどどうも満足できない、毎日の入浴や洗顔で「水が合わない」と感じている、そんな時には一度、ビタミンCの入った入浴剤やシャワーヘッドを試してみてはいかがでしょうか。お馴染みの成分が、貴方のバスタイムをより快適なものに変えてくれることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました