トレハロース

成分

使用の目的:保湿成分、加齢臭の抑制

類似した成分:マルトース、カキタンニン

 トレハロースとはスキンケア製品を中心として利用されている成分で、化学式C12H22O11で表される二糖類の一種です。常温では白色の粉末で、水やエタノールに溶けやすい一方、油性成分にはほとんど溶けません。マッシュルーム糖と呼ばれることもあり、天然にも幅広く含まれている成分ですが、工業的にはデンプンを特殊な微生物を用いた発酵によって分解し、精製することによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。トレハロースは構造中に水と馴染みやすいヒドロキシル基と呼ばれる部分を多く持っており、製品からの水分蒸発をよく防ぎます。また、ヒアルロン酸Na等と組み合わせることによって肌に浸透し、高い保湿力を発揮します。保湿効果以外では加齢臭の原因となるアルデヒドの発生を防ぐ作用も知られており、デオドラント製品にも利用されています。

 天然由来の成分で肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、かつては酵母から抽出していたため高価でしたが、微生物発酵による合成法が発見されたことにより、手軽に利用できるようになりました。しかし、単体では肌に浸透しにくいため、保湿成分として利用する場合は組み合わせに注意が必要です。

 類似した成分としてはマルトースが挙げられます。マルトースはトレハロースの構造異性体で、トレハロースと同様に保湿目的で用いられますが、構造による安定性や保湿力の違いから、トレハロースの方が好んで利用されます。また、カキタンニンはトレハロースと同様に消臭効果がある成分ですが、作用が異なり、こちらは加齢臭の原因となるノネナールの生成を抑えることによって効果を発揮します。

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