ソルビトール

成分

使用の目的:保湿成分、増粘剤

類似した成分:キシリトール、加水分解水添デンプン

 ソルビトールとはスキンケア製品や石鹸等に利用されている成分で、化学式C6H14O6で表される糖アルコールの一種です。ソルビットと呼ばれることもあり、常温では白色の粉末で、水や熱したエタノールに溶けやすい一方、油性成分にはほとんど溶けません。天然にも藻類や植物の果実などに含まれていますが、工業的にはグルコースを水素で還元することによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。ソルビトールには構造中に水と馴染みやすいヒドロキシル基と呼ばれる部分を多く持っているため水と馴染みやすいのですが、肌に塗ると角質層に浸透し、皮膚のケラチンと水分の仲介役として働くため、肌の保湿機能やバリア機能を補います。また、製品の粘度を上げる増粘剤として、あるいは石鹸の結晶化を抑え、透明にする用途で用いられることもあります。

 食品添加物としてもお馴染みの成分で、化粧品として利用する分には肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、キシリトール等と同様に水分を吸収する際に熱を奪うため、ひんやりとした感触を出すことも可能です。しかし、保湿効果についてはグリセリンに及ばないため、他の成分の方が好んで利用されます。

 類似した成分としてはキシリトールが挙げられます。キシリトールはソルビトールと同様に異性化糖に分類され、保湿や清涼感付与の目的で用いられていますが、ソルビトールよりもべたつきが少ないのが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で配合されています。

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