コメヌカロウ

成分

使用の目的:硬度及び融点の調整、光沢性の付与

類似した成分:カルナウバロウ

 コメヌカロウとはメイクアップ製品やヘアケア製品を中心に含まれている成分で、炭素数22-24の脂肪酸及び炭素数24-32のアルコール、そのエステルを主成分としています。ライスワックスと呼ばれることもあり、常温では白色~黄褐色の結晶で、水に全く溶けない一方、油性成分とは比較的馴染みやすい性質を持っています。工業的には米ぬかから抽出される米ぬか油を抽出する際に副生成物として得られるワックス成分をさらに精製することによって得られます。

 特筆すべき性質としては基剤成分としての硬度や安定性が挙げられます。油性成分をベースとしたメイクアップ化粧品は高温での変性に悩まされますが、コメヌカロウは超長鎖脂肪酸を主成分としているため融点が高く、また、ワックスの中ではカルナウバロウに次いで硬いため、化粧品の使いやすさや高温での安定性を保持する上で有用です。また、肌に塗ると皮膜を形成する為、水分の蒸発を防ぐ保湿成分として利用することもできます。

 食品由来の成分で肌への刺激性や毒性も確認されてないため、安心、安全に利用可能な成分で、副生成物を利用しているため、SDGsの観点からも優れています。また、コメヌカロウの皮膜は光沢性が高い為、化粧品の見栄えを良くする効果も期待できます。しかし、基剤やスタイリング剤に求められる「硬さ」については他の成分に及ばない場合があります。

 類似した成分としてはカルナウバロウが挙げられます。カルナウバロウはコメヌカロウと同様に基剤成分として、あるいは化粧品の硬度や融点を調整する目的で利用されますが、より長鎖の脂肪酸及びアルコールを主成分としているため、より硬く融点が高いことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

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