安息香酸ベンジル

成分

使用の目的:香料及び溶媒

類似した成分:酢酸ベンジル

安息香酸ベンジルとは一部のメイクアップ化粧品やフレグランス化粧品に含まれている成分で、化学式C14H12O2で表されるカルボン酸エステルの一種です。常温では無色透明の液体もしくは固体で、水に殆ど溶けない一方、エタノールやエーテルに良く溶けます。天然由来の精油等にも含まれていますが、ベンズアルデヒドをアルコキシドの存在下で反応させることによっても得られます。

 特筆すべき性質としてはその心地よい香りが挙げられます。安息香酸ベンジルはイランイランやローズウッド、ベンゾイン等に含まれていますが、揮発するとバルサムを思わせるほのかにウッディで甘い香りを生み出します。また、安息香酸ベンジルは常温では液体であり、似たような構造を持つ香料をよく溶かす為、溶媒として用いられる他、虫にとっては不快な臭いであるため、虫よけ等の目的で使われることもあります。

 天然由来の成分で食品添加物としてもお馴染みの成分で、通常使われる濃度では安心、安全に利用可能な成分です。また、香りについては心地よく、かつ主張が強過ぎないため、溶媒等で利用する上での障害が少ないです。しかし、ある程度の濃度になると肌に対して刺激性を示すことがあるため、注意が必要です。

 類似した成分としては酢酸ベンジルが挙げられます。酢酸ベンジルは安息香酸ベンジルと同様に花の香りとして知られ、イランイランやジャスミン等の精油に多く含まれていますが、より強く、甘い香りを発生します。化粧品には主に香料として取り入れられていますが、香りが安息香酸ベンジルよりも強いこと、また、肌につけると皮脂を強力に奪う性質があるため、化粧品向けの溶媒としてはやや不向きです。

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