ゲラニオール

成分

使用の目的:香料

類似した成分:リナロール、フェネチルアルコール

 ゲラニオールとは化粧品に幅広く利用されている成分で、化学式C10H18Oで表されるモノテルペンアルコールの一種です。常温では無色透明の液体で、水に溶けにくく、エタノールやアセトンによく溶けます。天然にはパルマローザやシトロネラ、ローズ、ゼラニウムの精油に多く含まれ、工業的には主に比較的大量生産が可能なシトロネラの精油から精製することによって得られます。

 特筆すべき性質としては特有の花の香りが挙げられます。ゲラニオールは一部の草花に多く含まれていますが、揮発すると甘く穏やかな、バラを連想させる香りを生み出します。この香りはフェネチルアルコール等とも似ており、比較的長い時間持続します。また、ゲラニオールの匂いは昆虫にとっては不快であることが知られており、虫除けスプレー等にも利用されています。

 天然にも広く存在し、食品添加物としてもお馴染みのため安心、安全に利用できる成分です。また、その香りは花の香りとして長く親しまれており、多くの人にとって心地よさを感じさせます。しかし、ゲラニオール単体では花の香りの持つ複雑さを表現できず、香りに物足りなさを感じてしまうこともあるため、しばしば他の香料と併用されます。

 類似した成分としてはリナロールが挙げられます。リナロールはゲラニオールと同様にバラに含まれている甘い香り成分として有名で、香料として化粧品に多く取り入れられていますが、ゲラニオールがバラの香りを連想させるのに対して、リナロールはラベンダーを強く連想させます。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

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