使用の目的：抗菌作用
類似した成分：コハク酸、リンゴ酸
サリチル酸とは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C7H6O3で表されるヒドロキシ酸の一種です。常温では無色透明の針状の結晶で、水に溶けにくく、エタノールやアセトンに比較的溶けやすい性質を持っています。天然には主に解熱鎮痛剤としても使われるサリチル酸メチルの状態で植物に含まれていますが、工業的にはナトリウムフェノキシドと二酸化炭素を反応させ、硫酸を加えることによって大量に合成可能です。
特筆すべき性質としては優れた抗菌作用が挙げられます。サリチル酸は様々な種類の細菌や真菌に対して抗菌作用を持っており、化粧品の防腐剤や抗菌剤として用いられています。また、ニキビの原因であるアクネ菌に対しても高い効果を持っているため、ニキビ予防を期待して配合されることもあります。
天然に幅広く存在し、医薬品としても知られている成分です。また、高濃度で配合した場合は肌の角質を軟化し、ターンオーバーを促進させる効果も知られています。しかし、高濃度で配合した場合は肌への刺激が強いため、化粧品への配合は微量に制限されています。また、水に溶けにくいため製品の種類によってはやや使いにくい成分です。
類似した成分としてはコハク酸及びリンゴ酸が挙げられます。コハク酸はサリチル酸と同様にカルボン酸の一種で、抗菌作用を持ち合わせていますが、コハク酸は水に溶けやすく、毛穴を引き締める効果も期待できます。また、リンゴ酸はサリチル酸と同様に肌の角質を軟化させる作用を持っていますが、サリチル酸と比較して作用が穏やかであるため、化粧品成分としてより一般的に用いられています。
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