元気の源?タウリンを使った化粧品にはどんなものがあるの?どんな「力」が期待できるの?

化粧品に「タウリン」?

 貴方は栄養ドリンクのお世話になったことはありますか。栄養ドリンクは最近では「エナジードリンク」に押され、やや影が薄くなってしまいましたが、どうしても頑張らなければいけない時、あるいは体調があまり良くない時には心強い存在で、飲むと少し元気を取り戻すことができます。栄養ドリンクには様々な有効成分が含まれていますが、最も有名なものの1つがかつて「ファイト一発」のCMでも取り上げられていた「タウリン」です。タウリンはカキなどの魚介類に多く含まれているアミノ酸誘導体の一種で、疲労感を軽減する効果が高いことが知られています。また、最近では血圧やコレステロール値の安定化や老化防止などにも効果があることが示唆されています。

 そんなタウリンですが、実は化粧品の世界でも意外と身近な成分です。あまり大きく取り上げられることはありませんが、貴方が使っているアミノ酸系のシャンプー、あるいはスキンケア製品にタウリンもしくはその誘導体(ある物質に他の物質を反応させ、元の物質の構造をある程度保った状態で生成する成分)が使用されていることがあり、重要な役割を担っています。一体、これらの成分にはどのような効果が期待できるのでしょうか。

タウリンの「力」①肌や髪をしっとり保湿

 タウリンと聞くと滋養強壮などのイメージを抱く方が多いかもしれませんが、化粧品における主な役割は「保湿」です。タウリンは広義のアミノ酸の一種で、比較的小さな構造内に水と馴染みやすいアミノ基やカルボキシル基と呼ばれる部分を持っていることから、水と非常に馴染みやすいことが特徴です。また、タウリンは肌の角質層を構成するアミノ酸と構造が類似しており、角質層内にこそ存在しないものの、そのすぐ内側に存在する顆粒層には豊富に存在し、バリア機能を担っている成分としても知られています。そのため、タウリンが含まれた化粧品を肌につけた場合、他の成分と比較して肌や髪によく浸透し、水分の蒸発を防ぎます。

 タウリンは主に美容液やシャンプー、トリートメントなど水性のアイテムを中心に利用されています。分子量の小さなアミノ酸に共通する性質なのですが、タウリンはヒアルロン酸やコラーゲンといった一般的な保湿成分と比較して髪への浸透性に優れており、乾燥によるダメージから髪を保護する効果があるためヘアケア製品との相性が良く、しばしば利用されています。しかし、水には溶けやすい一方で油には溶けにくく、混ぜ合わせるためには乳化剤を添加するなどの工夫が必要になるため、油性製品にはあまり利用されない印象です。

タウリンの「力」②髪に優しく、でもさっぱりと洗えるシャンプー成分

 このように、髪との相性が良いタウリンですが、シャンプーの洗浄成分としてもタウリンから派生した「誘導体」が利用されています。シャンプーに使われる界面活性剤は大きく分けて石油系、アミノ酸系に分類されますが、ラウレス硫酸Naをはじめとした石油系の成分は洗い上がりの良さを特徴としている一方で、その高すぎる洗浄力が故に、必要な皮脂まで落としてしまうことがあります。一方、アミノ酸系のものは肌との馴染みが良く、余分な皮脂のみを落とすため髪には優しいのですが、夏場はやや洗浄力が不足しがちで、ベタつきを防ぐためには二度洗いやプレシャンプーが必要になります。

 そのような中で、ココイルメチルタウリンNaやラウロイルメチルタウリンNaといったタウリン系の界面活性剤は石油系の成分よりはマイルドではあるものの、他のアミノ酸系のものと比較すると強い洗浄力を発揮します。その理由はタウリン系の界面活性剤の構造によるもので、陽イオンの部分はアミノ酸系の成分と同様のアミノ基である一方、陰イオンは石油系界面活性剤と同様に強力な親水基として知られるスルホ基であるため、水に溶かすと比較的泡立ちが良く、また、油分をよく落とします。

 このようなタウリン系の成分が含まれたシャンプーを利用すると比較的さっぱりとした洗い上がりとなる一方で、ある程度は皮脂を保持するため、石油系シャンプーのようなきしみやアミノ酸系シャンプーのベタつきを感じにくい、「丁度良い」洗浄力を実感できます。また、泡立ちがpHの影響を受けにくいといった特徴もあるため、メインの洗浄成分としてだけではなく、アミノ酸系シャンプーの洗浄力を上げる目的で、補助的に用いられることもあります。

まだまだ期待できる!タウリンを使ったスキンケア 

 このように、タウリンは私達の肌や髪に嬉しい作用をもたらしてくれますが、最近ではタウリンを針状に結晶化させた「タウリンニードル」と呼ばれる成分が新しく開発され、注目されています。ニードルコスメはヒアルロン酸などの美容成分を結晶化させることで、肌により効率的に浸透させたり、ニードルによる刺激で血行を促進させたりする目的で開発されましたが、従来の海綿などを使用したものは肌への刺激がかなり強く、やや敷居が高いものでした。

 しかし、タウリンニードルは浸透性に優れている一方で水に溶けやすく、肌の表面に尖ったままで長時間残りにくいため、ニードルコスメが抱えていた従来の欠点を克服しています。また、タウリンニードルはヒアルロン酸やナイアシンアミドなどの美容成分を浸透させる目的でも利用することができ、配合した化粧品も徐々に販売され始めています。

 栄養ドリンクを飲む方が少なくなり、以前ほど名前を耳にしなくなったタウリンですが、化粧品の世界では低刺激で便利な効果が期待できる成分として、再び注目されるようになっています。普段お使いのシャンプーや美容液を変えてみたい、と思った時、「タウリン」にも注目して選んでみてはいかがでしょうか。

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