暑い夏の味方、クールシャンプーとはどんな製品なの?使用する際の注意点は?

爽やかな洗い上がり!クールシャンプーとは?

 厳しい暑さが続く夏の時期、貴方はどんなシャンプーを使っていますか。ドラッグストアの店頭です百円で手に入るものから、サロン専売の1万円以上するものまで、とにかく色々な選択肢があるシャンプーですが、夏の暑い時期を中心に店頭に並ぶことが多いのが「クールシャンプー」です。クールシャンプーは通常のシャンプーと比較して泡立ちに優れた製品が多く、爽やかな洗い上がりが特徴です。日本での歴史は1968年にサンスター社から発売された「トニックシャンプー」から始まり、当初は男性向けの製品でしたが、現在ではシャンプーのジャンルの1つとして、男女を問わず利用されています。

 このクールシャンプーですが、一体どんな成分が使われているのでしょうか。また、成分の違いによって髪や頭皮への影響はどのように異なってくるのでしょうか。その中身を調べてみると、普通のシャンプーとの使い方やターゲットとするユーザーの違いが浮かび上がってきて、とても興味深いものがあります。

クールシャンプー=メントールの爽快感!

 クールシャンプーの爽快感を産み出している成分はメントール及びその誘導体です。メントールは以前の記事でも何度か取り上げたことがありますが、天然のペパーミントやハッカに多く含まれている成分で、清涼感のある香りと、肌につける時のひんやりとした使い心地で知られています。この「ひんやり感」はメントールが実際に肌の熱を奪うことによるものではなく、肌の温度センサーであるTPRチャネルに作用することによって感じられるもので、特に25℃以下の温度で活性化するTPRM8に働きかけるため、夏に使用すると強い爽快感を得ることができます。また、最近ではメントールの爽快感の副作用としての刺激感を抑えるため、メントン等のメントール誘導体が用いられていることもあります。

 メントールの爽快感は単に心地良いだけではなく、かつて、男性にシャンプーを「選んでもらう」上で重要な役割を果たしました。女性よりも皮脂の量が多く、また、ヘアワックスやポマードなど油性の整髪料を好んで使う習慣のある男性にとって、女性向けのシャンプーは洗い上がりの心地良さに欠けていました。そのため、シャンプーは関心を持つ方は少なく、家族向けのものを使う、もしくは石鹸で髪を洗うなど、男性に選ばれることは多くありませんでした。そのような中で、爽快感を全面に出したクールシャンプーは男性の支持を集め、シャンプーの普及にも一役買ったのです。

洗い上がりさっぱり「石油系」「タウリン系」界面活性剤

クールシャンプーの爽快感はメントールによるものだけではなく、使用されている洗浄成分にも起因します。シャンプーに利用されている洗浄成分(界面活性剤)には大きく分けて石油系、アミノ酸系の2種類が存在しますが、クールシャンプーの多くにはラウレス硫酸ナトリウムをはじめとした、石油系の界面活性剤が利用されています。石油系界面活性剤は泡立ちや洗浄力に非常に優れているため皮脂や汚れをよく落としますが、皮脂を落とし過ぎることで肌の乾燥を引き起こしがちであることから、一部の方からは敬遠されがちです。しかし、高温多湿で新陳代謝が盛んになる夏の時期は皮脂の分泌量も増えるため、特に皮脂量の多い男性の方はベタつきがちなアミノ酸系成分よりも、石油系成分を主体としたものの方が頭皮にとって良いことが多いです。石油系の界面活性剤を使用したクールシャンプーは代表的な「トニックシャンプー」をはじめとして、男性をターゲットとしたものが比較的多い印象です。

 また、石油系や界面活性剤を使わないシャンプーではココイルメチルタウリンNaをはじめとした、タウリン系の洗浄成分が好んで利用されています。タウリン系の洗浄成分はアミノ酸系の成分と同様に低刺激でありながら、比較的洗浄力や泡立ちに優れているため皮脂を十分に落とし、洗い上がりもさっぱりとしています。石油系の洗浄成分と比較してやや高価にはなりますが、頭皮のコンディションを気にしつつ、クールシャンプーを使ってみたい方には良い選択肢となるでしょう。タウリン系のクールシャンプーは石油系のものと比較して、香りやパッケージがやや女性をターゲットにしたものが多い印象です。

 そして、クールシャンプーには通常のシャンプーと比較して、殺菌成分も多く使用されています。夏の頭皮はどうしても雑菌の繁殖が起こりやすく、かゆみや頭皮ニキビなどのトラブルが起こりがちですが、クールシャンプーにはエタノールやイソプロピルメチルフェノールといった殺菌成分が含まれており、使い続けることで雑菌の繁殖を抑え、様々なトラブルを未然に防ぐことができます。

クールシャンプー、本当に使って大丈夫?

 このように、クールシャンプーは製品にひんやり感を出すメントールと比較的泡立ちや洗浄力の高い石油系、タウリン系の界面活性剤などを組み合わせることにより、通常のシャンプーと比較してさっぱりとした洗い心地を実現しています。これらの成分は化粧品では非常にポピュラーな存在で、やや強めの刺激感や強めの洗浄力といった問題はありますが、その使用感は多くの方にとって夏の暑い時期であっても毎日使い続けたい、と思わせるような魅力を持っています。特に男性にとってはお勧めの組み合わせで、皮脂や整髪料に含まれている油分を心地良く、効率的に落としてくれます。

 しかし、頭皮が乾燥している場合、あるいは何らかのトラブルを抱えている場合、クールシャンプーの使用は控えた方が良いかもしれません。メントールの刺激感は肌を傷つけることによるものではなく、あくまでもそのセンサーに作用することによる「錯覚」ですが、ダメージで敏感になっている肌にとっては望ましくない刺激となることがあります。また、エタノールやイソプロピルメチルフェノールのような殺菌成分も同様で、健康な肌にとっては問題がないものですが、ダメージによる肌の炎症を悪化させてしまう可能性があります。クールシャンプーは頭皮が脂性肌気味、もしくは健康な方向け、と考えておいた方が良いでしょう。

 クールシャンプーはかつて男性を意識して開発された製品で、今でも何となくそのイメージをお持ちの方もいらっしゃることでしょう。しかし、年々気温が上がってゆく中で、クールシャンプーは夏のベタつきがちな頭皮を爽やかに洗い上げることができる、ユニセックスで向けのスタンダードとしての地位を確立しつつあります。「しっとり」「低刺激」のシャンプーも大切ですが、時には使い心地も重視して、「爽やか」なシャンプーも手に取って使ってみてはいかがでしょうか。

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