使用の目的:界面活性剤
類似した成分:キラヤ樹皮エキス、サポニン
ムクロジエキスとは一部の洗顔料やシャンプーに利用されている成分で、テルペノイドの一種であるサポニンを主成分としています。化粧品に利用されているものとしては液状のものと粉状のものの2種類があり、ムクロジ科の植物ムクロジから有効成分を水やエタノールを用いて抽出、乾燥させることによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた洗浄作用が挙げられます。ムクロジエキスの主成分であるサポニンは水にも油にも馴染みやすい性質を持っており、また、起泡性にも優れているため、天然の界面活性剤として作用し、肌につけると皮脂や汚れをよく落とします。また、抗菌作用があることでも知られており、シャンプーに配合するとフケの原因となる真菌の増殖を抑える効果が期待できます。
天然由来で古くから洗濯や体を洗うために利用されてきた歴史があり、肌への毒性や刺激性もないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、最近では発毛、育毛に効果があるといった研究結果も出ており、今後の応用が期待されます。しかし、界面活性剤としての作用は一般的に利用されている成分よりもかなり弱く、石鹸やシャンプーを使う際には時間を掛けて泡立てるなどの工夫が必要です。
類似した成分としてはキラヤ樹皮エキスが挙げられます。キラヤ樹皮エキスは南米原産のシャボンノ木の樹皮から抽出される成分で、ムクロジエキスと同様に天然由来の界面活性剤として利用されていますが、乳化剤としての作用がやや強いため、そちらの目的で利用されることが多いです。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。