イソプロピルメチルフェノール

成分

使用の目的:殺菌成分

類似した成分:塩化ベンザルコニウム

 イソプロピルメチルフェノールとは一部のアクネケア製品やデオドラント製品等に使用されている成分で、化学式C10H14Oで表されるフェノールの一種です。正式にはo-シメン-5-オール、略称ではIPMPとも呼ばれており、常温では白色の結晶で、水に溶けにくくエタノール等に溶けやすい性質を持っています。工業的にはコールタール等から得られるクレゾールを出発原料として合成されます。

 特筆すべき性質としては防腐剤、殺菌剤としての作用が挙げられます。イソプロピルメチルフェノールは通常の細菌、真菌に関して幅広く殺菌効果を持っており、製品に配合すると製品内での雑菌の繁殖を防ぎ、また、肌に塗ることによって表面の細菌、真菌を適度に死滅させます。その為、脂性肌向けのニキビの発生を防ぐ化粧品や汗による臭いを防ぐためのデオドラント製品などに利用されています。食品以外の分野では、肌や口腔内の消毒を目的とした製品によく取り入れられています。

 医薬品や化粧品にも長く取り入れられてきた実績があり、他の殺菌成分と比較しても肌への刺激も少ないため、安心、安全に利用可能です。しかし、イソプロピルメチルフェノールを使用した化粧品での接触性皮膚炎が若干例報告されているため、使用時に異常を感じた場合は利用を止めるようにしてください。また、殺菌効果自体がややマイルドであるため、防腐剤としてはより効果の高い成分の方が好んで使用されます。

 類似した成分としては塩化ベンザルコニウムが挙げられます。塩化ベンザルコニウムは陽イオン界面活性剤の一種で、イソプロピルメチルフェノールより強い殺菌効果を持っているため、単独で、もしくは組み合わせる形で消毒やデオドラントを目的として利用されています。しかし、殺菌効果が強い分肌への刺激性も強いため、製品の性格に応じて使い分けがされています。

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