ポリエチレン

成分

使用目的:使用感及び質感の改善、スクラブ剤

類似した成分:合成炭化水素ワックス、パラフィン

 ポリエチレンとは主にメークアップ化粧品に使用されている成分で、ポリマーの一種です。様々な形で加工されたものが知られていますが、常温では白色の顆粒状の物質で、化粧品向けのものはポリエチレンワックスと呼ばれることもあります。工業的にはエチレンガスを重合させることによって得られます。

 特筆すべき性質としては使用感の改善効果が挙げられます。ワックス状のポリエチレンは乳化剤としての性質を持っているため、油性成分との馴染みが良く、化粧品の硬さや伸びを調整することにより、使用感をより良好にすることが可能です。また、皮膚の上での滑りが良く、かつ化学的に安定な性質を活かし、スクラブ剤(マイクロビーズ)として毛穴の詰まりを取り除く目的でも使用されてきました。

 ポリエチレンは化学的に安定で肌への刺激性もないことから安全に使用可能な成分です。また、生産性にも優れており、原料の安定供給の観点でも優れています。しかし、ポリエチレンを原料としたマイクロビーズはその化学的な安定性や毛穴の汚れを取り除くのに適した粒径が災いし、生活用排水から河川や海に流出し、水生生物の体内に蓄積することが問題視されたため、今日では全世界で使用が規制されています。マイクロビーズについてはポリエチレン以外の原料を使うことが検討されており、現在、より環境中で分解されやすい成分を使用するための研究が進められています。

 類似した構造、効果を持った成分としては合成炭化水素ワックスが挙げられます。合成炭化水素ワックスはポリエチレンの一種なのですが、化粧品においてはより分子量が小さなものを指し、同様に使用感の向上やスクラブ効果、あるいは化粧品につやつやとした質感を与える目的で使用されています。また、より化粧品の硬さを調整する目的に特化した物質としてはパラフィンが挙げられ、メークアップ化粧品を中心に使用されています。

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