スクワラン

成分

使用目的:使用感の向上、保湿効果

類似した成分:ワセリン、ヘパリン類似物質

 スクワランとはスキンケア化粧品やファンデーションに主に使用されている成分で、化学式C30H62で表される炭化水素化合物です。常温では無色もしくは僅かに緑色がかった液体で、工業的にはサメの肝油やオリーブオイル等に含まれるスクアレンに水素を付加することによって、もしくはサトウキビの糖液やイソプレンを原料に合成することによって得られます。原料の1つであるスクアレンは人の体内にも含まれる成分ですが、酸化されやすく化粧品原料としては不安定なため、必ずスクワランに変換して用います。

 特筆すべき作用としては化粧品に配合した場合の感触の良さが挙げられます。スクワランは元々肌に含まれている成分であるため肌への馴染みが良く、また、使用感もさらさらとした大変心地良いものです。そのため、化粧品の肌触りを良くするために配合されています。感触改善以外では構造内に水分を保持する作用による保湿効果、肌に浸透し、スクアレンを補う作用によるターンオーバーの促進効果等を期待して使用されます。

 元々人体に含まれている成分であるため、肌への刺激性もなく安心、安全に利用可能です。しかし、保湿以外のスキンケアに関する効果に関しては「保湿作用を高めた結果として、そのような効果が期待できる」といったものであるため、使用の際は即効性を求めるのではなく、日々のスキンケアに取り入れるのが理想的です。特に肌に負担の大きなオイルやクリームを使用し、合わないと感じていた場合はスクワランに置き換えることによって肌の状態を改善することが可能です。

 スクワランをスキンケア目的で使用する場合、ワセリンやヘパリン類似物質と同時に用いられることがあります。どちらも人の皮脂に近い物質であるため馴染みが良いのですが、ワセリンは主に肌表面からの水分蒸発を防止する目的で、ヘパリン類似物質は肌内部の水分を保持する目的で配合されます。

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