使用目的:化粧品の使用感の改善、シリコーンオイルの溶媒
類似した成分:ジメチコン
シクロペンタシロキサンとは様々な化粧品に含まれている成分で、環状シリコーンオイルの一種です。化学式はC10H30O5Si5で表され、常温では無色透明の揮発性の高い液体です。医薬部外品の表示ではデカメチルシクロペンタシロキサン、工業目的ではD5と呼ばれることもあります。
特筆すべき作用としてはさらさらとした使用感が挙げられます。シリコーンオイルは油分の一種ですが、べたついた感触を持たず肌の上でよく延びるため、油性の化粧品の感触を改善するために用いられます。また、シクロペンタシロキサンはシリコーンの溶媒としても用いられますが、揮発性が高いため、シリコーンを溶かしたシクロペンタシロキサンを肌に塗るとシクロペンタシロキサンのみが蒸発し、肌の表面にシリコーンの被膜が形成されます。シリコーンは水をはじく性質があるため、この作用を利用することにより、化粧品にウォータープルーフ機能を持たせることが可能です。
油性の成分との馴染みが良く特にシリコーンをよく溶かすこと、使用感が良好で肌への残留性が低いこと、刺激性が低く、生分解性であるため人体や環境に対しての影響も少ない等、利便性が高く、安心、安全に使用することが可能な成分です(化粧品以外ではドライクリーニングの溶媒等に用いられています)。しかし、頭髪への付着性が高いため、シャンプー等に使用されていた場合、カラーリング液、パーマ液の浸透を妨げてしまいます。これは十分に洗い流すことで解決可能な問題ですが、美容室系の商品ではこの特徴が嫌われることがあります。
同様の効果を持った成分としてはジメチコンが挙げられます。ジメチコンは直鎖状シリコーンオイルの一種で、シクロペンタシロキサンと同様に粘度が低くさらさらとした感触であるため、化粧品の使用感を良くするために用いられています。しかし、シクロペンタシロキサンの方がさらさらとした感触がより強い一方、ジメチコンは肌に塗るとジメチコン自体が水をはじく被膜を形成するといった違いがあるため、用途に応じて使い分けがされています。
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