使用目的:化粧品への清涼感の付与、抗炎症作用
類似した物質:メントール、ユーカリプトール、エタノール
ユーカリ葉エキスとは化粧水やローション、シャンプー等の化粧品に取り入れられている成分で、主にオーストラリアに自生するユーカリノキから水やエタノール、ベンゼングリコール等を用いて成分を抽出することによって得られます。主成分としては独特の爽やかな匂いを持つ1,8-シネオールが挙げられます。医薬部外品の表示ではユーカリエキスと呼ばれます。
特筆すべき性質としては使用した際、肌の体感温度を下げる作用が挙げられます。代表的な冷感成分であるメントールと同様、ユーカリ葉エキスには肌の表皮層、真皮層にある温度を感じるセンサーであるTRPチャネルを刺激し、冷たい温度に反応する部位であるTRPM8を活性化する作用がありますが、ユーカリ葉エキスは同時に痛みに反応する部位であるTRPA1の作用を抑制するため、メントールと比較して穏やかな使用感となります。また、ユーカリ葉エキスは抗菌作用や抗炎症作用、肌表面のセラミドの合成を助けることによるバリア機能の改善等、傷ついた肌を正常な状態に戻すために必要な作用を多く持ち合わせており、オーストラリアの先住民、アボリジニは原料である葉をすりつぶす、あるいはそのまま巻き付ける等の方法で、傷薬としても利用していました。
古くから利用され続け、また、精油としても有名な成分であるため安心して利用することが可能ですが、精油をそのまま肌に塗ると高濃度の1,8-シネオールの肌への刺激が強く、肌荒れの原因となるため注意が必要です。化粧品に含まれているものに関しては抽出方法が異なるため、刺激性は低くなります。
類似した性質を持った物質としてはメントールが挙げられます。冷感作用に関してはメントールの方が優れていますが、メントールの刺激性を抑える効果があるためしばしば併用されます。また、ユーカリ葉エキスの代表成分である1,8-シネオールは単独で使用されることもあり、ユーカリプトールの名称で記載されています。
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