「ピュア」ビタミンCとはどんな成分なの?どうやって取り入れればいいの?

「ピュア」なビタミンC?

 ビタミンCは私達の美容を語る上で切っても切り離せない存在です。果物や野菜に多く含まれているビタミンCは抗酸化作用によって私達の「老化」を防いでくれる存在としてあまりにも有名で、サプリメントでもお馴染みの存在です。そして、化粧品の成分としてもよく知られており、プチプラからハイブランドまで、ビタミンC(アスコルビン酸)、もしくはビタミンC「誘導体」を使用した製品が多く販売されています。

また、一部の化粧水や美容液では「ピュア」ビタミンCが使用されていることがうたわれています。ピュアビタミンCは一般的なビタミンC誘導体よりも即効性に優れていると言われている一方、比較的入手しやすい製品にも利用されています。一部では「効果がない」といった不安な意見もありますが、その手軽さから実際に使ったことのある方も多いことでしょう。一体、「ピュア」ビタミンCとはどんな成分で、ビタミンC「誘導体」とはどんな部分で異なっているのでしょうか。

「ピュア」ビタミンC=アスコルビン酸

 一般的に「ピュア」ビタミンCとはアスコルビン酸のことを指しています。アスコルビン酸は化学式C6H8O6で表されるラクトン構造を持つ有機化合物の一種で、水に溶けやすい淡黄色の粉末です。比較的手に入りやすい成分のため、薬局などで中身が見えない、もしくは濃い茶色の容器に入ったビタミンCを見たことのある方もいらっしゃることでしょう。ビタミンCはアセロラやパプリカなどに豊富に含まれていますが、一般的にはトウモロコシ由来の糖類を発酵させたものが広く流通しています。

 ビタミンCについては以前の記事でも紹介しましたが、分子内に電子を非常に手放しやすい部分があり、活性酸素等のラジカル(不対電子を持っており、他の物質と連続的に反応する分子)と作用させると電子を与えて電子対を形成し、安定化させる働きがあります。そのため、ビタミンCはシミやシワの発生を予防したり、化粧品の酸化を防いだりする目的で広く利用されており、化粧品に馴染みがない人にとってもとても身近な存在です。また、水に溶かすと弱酸性を示し、肌につけると適度な刺激を与えて汗の出口を引き締めるため、皮脂の分泌を抑えたり、製品をさっぱりとした使用感にしたりする目的でも利用されます。

ややデリケートな「ピュアビタミンC」

 抗酸化作用や毛穴の引き締め効果が期待できる化粧品成分は数多くありますが、「ピュア」ビタミンCは理論的な抗酸化作用の高さやコスト、知名度や安全性など様々なメリットがあります。また、「水に溶けやすい」性質は化粧水や乳液など一般的なスキンケア化粧品への利用に適しています。

しかし、ピュアビタミンCは高濃度ではやや酸性が強く、そのままでもやや刺激性が高い成分に分類されます。また、酸化されやすいが故に構造が不安定で、肌につけても十分に浸透しないまま効果を失ってしまったり、酸化によって発生する「ビタミンCラジカル」自体が環境によっては肌への刺激の原因となってしまったりすることがあります。

そのため、最近ではビタミンCを肌馴染みの良い物質と反応させ、浸透性や安定性を高めた「ビタミンC誘導体」が多く用いられています。ビタミンC誘導体は一般的にピュアビタミンC程の即効性はなく、成分よっては「効果が認められるものの、どのように作用しているかは分からない」といったものも存在します。しかし、比較的長期間保管しても作用を失わず、また、肌につけた時の刺激性も低いため、化粧品成分としての使い勝手の面ではより優れています。

ピュアビタミンCを使うための工夫

 このように、やや扱いにくい印象のある「ピュアビタミンC」ですが、使用されている化粧品には抗酸化作用や即効性の高さを活かすための工夫が施されています。最もシンプルなものはビタミンCを高濃度に配合したものです。そのような製品にはしばしば「高濃度ビタミンC」配合といった記載がされていますが、配合量を高めることで肌に届く量を増やす、あるいは途中で酸化されて生成したビタミンCラジカルの再還元を促すことにより、スキンケア製品に求められる効果が出るようにしています。一般的に5%〜15%程度のビタミンC濃度の製品が最適と言われていますが、溶媒などを工夫することにより、20%以上の高濃度を配合した製品も販売されるようになりました。

 また、ビタミンCは「水溶液の状態で」「紫外線を浴びる」「空気に触れる」ことでより不安定になり、効果を失いやすくなってしまうため、それらを「物理的に防ぐ」方法も取り入れられています。ビタミンCパウダーやシートマスクはその代表例で、前者は紫外線を防ぐための瓶に入れ、必要量を都度他の化粧水や美容液に混ぜることによって、後者はシートを使い切りのパウチに1枚ずつ封入し、都度取り出すことによってビタミンCの空気や紫外線による劣化を最小限に抑え、効果をより発揮できるようにしています。

ピュアビタミンC、どうやって取り入れればいいの?

ピュアビタミンCは良い成分ではあるものの、紫外線に弱く分解されやすいため、高濃度のものは夜間、もしくは外出の予定のない休日に使用することをお勧めします。また、個包装でない製品に関しては高温や直射日光が当たらない場所に保管し、早めに使い切ると良いでしょう。そして、他の成分よりもやや刺激が強いため、肌の状態に不安を感じた場合は使用を止め、他のビタミンC誘導体が利用されたアイテムに切り替えた方が安心です。

 しかし、もし貴方の肌が健康な状態であれば、ピュアビタミンCのもたらす高い抗酸化作用はシミやくすみの予防、肌の引き締めなどに高い効果を発揮することでしょう。抗酸化作用が期待できる成分としては他にポリフェノールなども有名で、様々な製品に取り入れられていますが、ピュアビタミンCはその作用の分かりやすさや手に入れやすさの面で優れています。毎年のように新しい成分が登場する中で、「ピュアビタミンC」はやや新鮮味に欠ける印象はありますが、改めて目を向けてみて、その効果を感じてみてはいかがでしょうか。

 

タイトルとURLをコピーしました