使用の目的:保湿
類似した成分:塩化ナトリウム、塩化マグネシウム
海水とは一部の化粧品に利用されている成分で、塩化ナトリウムを主成分としており、他に塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどを含んでいます。化粧品には一般的に「海洋深層水」と呼ばれる水深200mより深い場所にあるものを汲み上げ、フィルターや砂を使って微生物や泥などをろ過したものが用いられています。
特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。海水は先述したように様々なミネラルを含んでおり、肌につけることによって不足を補い、肌自体が持っている保湿機能を底上げする作用が知られています。また、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩は潮解性(空気中の水分を取り込んで溶ける作用)があることでも知られており、直接的な保湿作用を期待することもできます。
一般的に海水は塩化ナトリウム濃度の高さや不純物の存在から「肌を乾燥させる」「炎症を起こす」リスクがあるものとして知られていますが、化粧品に利用されているものは十分な安全性が確保されています。また、海水のミネラル組成は体内のものに近いとされており、肌に取り込むことで状態を改善することが期待できます。しかし、期待できる保湿効果は比較的穏やかなもので、即効性については他の成分の方が優れています。
類似した成分としては塩化ナトリウムが挙げられます。塩化ナトリウムは海水に含まれている主要なミネラル分で、化粧品に様々な目的で用いられていますが、海水とは用途がかなり異なり、保湿よりはむしろ増粘作用や硬い結晶構造を利用したスクラブ作用などを目的として利用されています。