使用の目的：使用感の向上、基剤成分
類似した成分：オレイン酸、アーモンドオイル、アルガンオイル
モモ核油とはメイクアップ製品を中心に利用されている成分で、炭素数18の不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸を主成分としています。常温では淡黄色〜黄緑色の液体で、水と馴染みにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。工業的にはバラ科モモの核（果実の中心部分にある硬い部分）粉砕、圧搾し、必要に応じて精製することで得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた使い心地が挙げられます。モモ核油は皮脂の成分でもあるオレイン酸や不飽和度が高い脂肪酸であるリノール酸を主成分としており、飽和脂肪酸であるパルミチン酸やステアリン酸の含有量が少ないため、肌に馴染みやすく、よく延びることが特徴です。そのため、化粧品に配合することによってその使い心地を大きく向上させることが可能です。
天然由来で食品としてもお馴染みの成分であるため、安心、安全に利用可能です。また、モモ核油はほぼ無臭であるため、他の香り成分の効果を妨げたり、香りによって体調を崩してしまったりすることがありません。しかし、他の植物油と比べてコストが高く、また、リノール酸を多く含むため酸化による品質劣化に注意が必要です。
類似した成分としてはアーモンドオイルが挙げられます。アーモンドオイルはモモ核油と同様にオレイン酸、リノール酸を主成分とする植物油の一種で、同様に化粧品の使用感を良くする目的で利用されますが、モモ核油と比較してよりサラサラとした使用感が特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされていますが、コスト面で優れたアーモンドオイルがより一般的に利用されています。