アルジルリン

成分

使用の目的:表情ジワの改善

類似した成分:シンエイク、ロイファシル、ボツリヌス毒素

 アルジルリンとは一部のスキンケア製品に利用されている成分で、化学式C34H60N14O12Sで表されるペプチドの一種です。アセチルヘキサペプチド-3もしくはアセチルヘキサペプチド-8と呼ばれることもあり、常温では白色の粉末状の物質で、水に若干溶けやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。スペインの化学メーカーであるLipotec社により開発された成分で、化学的に合成することによってのみ得られます。

 特筆すべき性質としては優れた表情ジワの改善作用が挙げられます。アルジルリンは美容医療で広く用いられているボツリヌス毒素の構造を模倣して化学的に合成された成分で、肌につけると肌につけると顔の表情筋を麻痺させ、動きを抑制する働きがあります。その結果、顔の筋肉の緊張や表情のクセによって形成されるシワを緩めたり、新たなシワが形成されるのを防いだりする効果を期待できます。また、この作用の副次的効果として、肌を引き締めたり、コラーゲンの機能を維持したりする効果も認められています。

 安全性が確立された成分から合成され、作用も比較的穏やかであるため、安心、安全に利用可能な成分です。そのため、やや高価にはなりますが、手作りコスメの材料として溶液を購入することも可能です。しかし、その効果は「表情ジワ」に限定されており、一般的な加齢や紫外線の影響によるシワには効果がないため、顔全体のシワを改善したい場合は他の抗老化作用が認められた成分と併用する必要があります。

 類似した成分としてはシンエイクが挙げられます。シンエイクはヘビの神経毒を模して合成されたペプチドの一種で、アルジルリンと同様に表情ジワを改善する目的で化粧品に用いられています。即効性の面ではシンエイクの方がより優れていますが、アルジルリンの方がより普及しています。

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