ツボクサエキス

しわ

使用の目的:抗炎症作用、コラーゲンの産生促進

類似した成分:レチノール

 ツボクサエキスとは一部のスキンケア化粧品に含まれている成分で、アジア酸、マデカッソ酸、アジアチコシド、マデカッソシドなどを含んだ植物抽出物の一種です。CICAの別名でも知られており、工業的にはセリ科の植物ツボクサの葉や茎から有効成分を水、もしくはBGで抽出することによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた抗炎症作用が挙げられます。ツボクサエキスに含まれるマデカッソ酸やアシアチコシドには刺激によって引き起こされる炎症反応を阻害することによって症状を鎮めたり、炎症の原因となる活性酸素を分解したりする効果が認められています。また、ツボクサエキスには肌の弾力性を保つコラーゲンの産生を助ける作用も認められており、シワの予防にも効果的とされ、韓国では「肌再生コスメ」として売り出された経緯があります。

 天然由来で中国やインドでは長年の利用実績があり、肌への刺激性もないため安心、安全に利用可能な成分です。また、CICAに関してはクリーム状の製品が有名ですが、水もしくはBGの抽出物であるため化粧水などにも利用可能です。しかし、民間療法などで利用されているツボクサと比較して使用時の濃度が低いため、ツボクサ特有の「傷を治す」効果は期待できません。海外などで「傷を治す」製品を見つけた場合、化粧品ではない可能性が高いため、十分な注意が必要です。

 類似した成分としてはレチノールが挙げられます。レチノールはツボクサエキスと同様にシワ予防などに効果がある成分として知られていますが、アプローチがやや異なり、肌のヒアルロン酸の産生を促進します。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

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