使用の目的:肌のバリア機能改善
類似した成分:グルコース、フルクトース
ラフィノースとは一部のスキンケア製品やメイクアップ製品に利用されている成分で、化学式C18H32O16で表されるオリゴ糖の一種です。ガラクトース、グルコース及びフルクトース各1分子が結合した構造を持っており、常温では白色の結晶状の物質で、水に溶けやすく、エタノールや油と馴染みにくい性質を持っています。天然にはキャベツやブロッコリー等に含まれており、工業的にはビート(甜菜)から抽出、精製することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れたバリア機能の改善効果が挙げられます。肌の角質層にはラメラ構造と呼ばれる肌の保水及び外的刺激からの保護を担っている仕組みが存在しますが、ラフィノースを含んだ化粧品を肌につけると肌に浸透し、構造の修復を促進する効果が確認されています。同様の効果はグルコースなどにもみられますが、ラフィノースの修復作用は他の糖類と比較しても高いことが立証されています。
天然由来で食品としてもお馴染みの成分で、肌への刺激性や毒性もないため安心、安全に利用可能です。また、食品として摂取すると大腸まで届き、ビフィズス菌の増殖を助ける効果があります。しかし、他の糖類と比較すると吸湿性に乏しいため、化粧品の保水目的での利用には向かず、また、保湿効果の即効性には劣ります。
類似した成分としてはグルコースが挙げられます。グルコースはラフィノースと同様に化粧品に用いられている代表的な糖類の一種ですが、ラフィノースと比較するとバリア機能の修復作用は控えめな一方で、保水作用や結合性に優れています。化粧品にはそれぞれの長所を活かす形で利用されていますが、汎用性の高いグルコースの方がより多くの製品に利用されています。
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