マンノース

使用の目的：保水

類似した成分：グルコマンナン、グルコース

　マンノースとは一部のスキンケア製品に含まれている成分で、化学式C6H12O6で表される単糖類の一種です。グルコースとは異性体の関係にあり、常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすく油と馴染みにくい性質を持っています。工業的にはコンニャクイモ等から精製されるマンナンを加水分解することによって大量に合成可能です。

　特筆すべき性質としては優れた保水作用が挙げられます。マンノースは構造中にヒドロキシル基と呼ばれる部分を多く持っているため、大量の水分を取り込み、それをよく保持します。そのため、配合すると美容液やフェイスマスクといった製品から水分が失われることを防ぎ、また、一定の保湿効果を期待することができます。

　天然由来で食品としてもお馴染みの成分で、肌への刺激性や毒性もないため安心、安全に利用することが可能です。また、グルコースと比較して体内で吸収、利用されにくいため、「糖化」現象の心配もありません。しかし、グルコースやフルクトースといったより一般的な糖類が優れた保水や結合作用を示し、安全性も極めて高いことからマンノースを積極的に選ぶ動機に乏しく、化粧品にはほとんど利用されていません。

　類似した成分としてはグルコマンナンが挙げられます。グルコマンナンはグルコースとマンノースが重合した多糖類で、マンノースと比較して保水性や結合性に優れているため様々な目的で利用可能で、ナチュラルコスメのジャンルを中心に、保水や保湿、スクラブ作用などを目的としてより一般的に利用されています。