使用の目的:基剤成分、使用感の向上
類似した成分:オリーブ果実油
アボカド油とは古くから幅広く化粧品に使用されている成分で、脂肪酸を主成分としています。アボカドオイルと呼ばれることもあり、常温では薄い黄金色の液体で、冷蔵庫等の低温では固まることがあります。アボカド油はアボカドの実を搾油することによって得られます。
特筆すべき性質として、基剤成分としての使いやすさが挙げられます。アボカド油は1,500年以上前から原産地である中南米周辺を中心に主に食用として広く用いられ、また、栽培されてきました。食用として風味が優れているだけではなく、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を主成分としておりやや酸化しにくいこと、常温で液体であること、また、べたつきが少なく滑らかな感触であることが好まれ、油性成分の基剤や溶剤として、化粧品の分野でも広く用いられてきました。また、高級脂肪酸を主成分としていることから、水酸化ナトリウムと反応させて穏やかな洗浄作用を持った石鹸としてもよく利用されます。
安全性に関しては基本的に問題ありませんが、ほぼ同様の組成を持ったオリーブ果実油と比較してもビタミンEの含有量の関係で酸化にやや弱く、直射日光等に当てると過酸化脂質が発生し、肌への刺激の原因となるため注意が必要です。また、比較的手軽に利用可能な成分ですが、ヤシ油やパーム油には生産効率の面で及ばないため、アボカド油を利用して作った石鹸はやや高価になります。
類似した成分としてはオリーブ果実油が挙げられます。オリーブ果実油はアボカド油と同様に天然由来でオレイン酸を主成分としていますが、よりビタミンEの含有量が多く、酸化に強いことが特徴です。両者の性質に大きな違いはありませんが、地中海原産のオリーブ果実油の方が歴史的な背景もあり、より身近に利用されています。
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