マンガンバイオレット

成分

使用の目的:紫色顔料

類似した成分:グンジョウ

 マンガンバイオレットとはメイクアップ製品を中心に利用されている成分で、化学式NH4MnP2O7で表される無機顔料の一種です。常温では紫色の粉末状の物質で、水にも油にも溶けにくい性質を持っています。工業的には酸化マンガンとリン酸、リン酸二アンモニウムを混ぜて加熱することによって得られます。

 マンガンバイオレットはその名前が指し示す通り淡紫―暗紫色であり、非タール系の化粧品色素としては比較的良好な発色を示します。そのため、ナチュラルコスメの分野を中心に、口紅やアイシャドウ、ネイル等の色素としてよく用いられています。

 19世紀に発見され、150年以上利用されてきた成分で肌への刺激性や毒性も確認されていないこと、また、光に対する安定性に優れていることから安心、安全に利用可能です。また、白や赤、黃など比較的明るい色にアクセントとして使うことで、より良い印象を与えることができます。しかし、紫色の中でもやや暗く肌の色とマッチしないこと、また、鮮やかさではタール色素に及ばないことから、一般的にはポイントメイクにのみ用いられます。

 類似した成分としてはグンジョウが挙げられます。グンジョウはマンガンバイオレットと同様に紫色の非タール系色素で、メイクアップ製品やネイル製品に用いられますが、表現できる色味の範囲が広く、粒子の大きさによって青〜ピンクに見えます。化粧品ではそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされていますが、グンジョウの方がより一般的に用いられています。

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