オールインワンコスメの効果って?

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オールインワンコスメとは?

瑞々しい肌を手に入れるための毎日のスキンケア、朝の忙しい時間に化粧水や乳液、美容液等を重ねて塗って、大切なのは分かっていても仕事や家事、育児などに追われていると、少しでも時間を短くできないか、スキンケアだけでもまとめられないかと考えたくなります。そんな忙しい皆様の心強い味方として開発されたものがオールインワンコスメです。オールインワンコスメは主に化粧水と美容液、乳液、商品によっては化粧下地の役割をも一手に担った成分で、肌への水分や保湿成分の補給、肌から水分を逃がさないための油分の補給を1本で行うことができます。

オールインワンコスメの特徴としては、化粧水や美容液よりも粘度が非常に高いジェル状の製品が多いことが挙げられます。一部、乳液状の商品も発売されているようですが、オールインワンコスメといえばオールインワンジェルと言い換えても差し支えない程その割合が多いです。

使用法は非常に簡単で、洗顔後すぐに肌につけて馴染ませるだけでスキンケアが完了します。また、特に乾燥が気になる場合は状況に応じてオールインワンコスメを使う前に化粧水を塗る、オールインワンコスメを使った後にクリームを塗る等の使い方で効果をより高めることができます。

オールインワンコスメの成分

化粧水や美容液、乳液等1本で多くの役割を担うオールインワンコスメには多くの成分が含まれており、また、多くの成分を上手く包み込むための成分が含まれています。多くの成分を包み込むために使われているのが、オールインワンジェルに特徴的なとろみを作り出す増粘剤です。増粘剤は天然由来のものとしてはトウモロコシ由来のキサンタンガム等もありますが、最もポピュラーな成分がカルボキシビニルポリマー、通称カルボマーです。カルボマーは水に溶かしこむことによって水の粘度を上げ、化粧品として肌につけやすくする増粘作用、水に溶けにくい成分を混ぜやすくするための乳化作用、また、肌になじみ水分を保持することによる保湿作用等、化粧品として使いやすい多くの機能を持っており、肌への刺激性も少ないため大変便利な成分です。

カルボマー以外の成分は化粧水や美容液、乳液に含まれているような成分が幅広く含まれています。表皮に浸透し、保湿効果を助ける成分としてはグリセリンヒアルロン酸セラミド等、肌表面からの水分の蒸発を防ぐ成分としては鉱物油や植物油等の油性成分、美容成分としては各社が特色あるものを開発しています。

オールインワンコスメのメリット

オールインワンコスメを取り入れることによる最大のメリットは全てを1本で済ますことができるスキンケアの時短で、これを目的に買い求める方が多いと思いますが、その他にもメリットがあります。

1つは1本で全ての効果を発揮する為、化粧水と美容液、乳液等の相性を考慮しなくて良いといったことです。各メーカーから、あるいは同一メーカー内でも様々な効果を謳ったスキンケア化粧品が開発されていますが、例えば保湿効果を重視して化粧品を買い求めた場合、肌の内部で保湿を担う成分ばかりが重なってしまい、水分の蒸発を防ぐ成分が弱くなってしまうといったことが起こります。また、化粧品同士の組み合わせについては全て検証されていないため、十分な効果が得られない可能性もあります。オールインワンコスメであれば1本で試験を行っているため、メーカーの想定に近い効果を得ることができます。

また、カルボマー等の増粘剤が油性成分を溶かし込む作用を担っているため、通常の化粧水や乳液等で油性成分を溶かし込み、また、肌に馴染ませるために必要になるアルコールや界面活性剤の使用を抑えることができます。アルコールや界面活性剤の使用について必要以上に神経質になる必要はないのですが、敏感肌等でお悩みの方については、これらがフリーな処方のオールインワンコスメを選択肢として検討することをお勧めします。

オールインワンコスメの課題

 このようにメリットの多いオールインワンコスメですが、同時に課題も多く抱えています。最大の課題は成分の浸透に関する部分です。オールインワンコスメは化粧水をベースにして設計されていますが、ジェルを肌に塗って使用する為、化粧水と比較するとやや水分や他の有効成分が角質層へと浸透しにくい傾向があります。角質層への水分と有効成分の補給を重視する場合、化粧水を単独で使った方がより高い効果が得られるでしょう。

乳液やクリーム等に求められる水分の蒸発を防ぐ力についても同様です。オールインワンコスメのカルボマーはそれ単体で保湿成分としても機能する優れものですが、油分と比較すればややその力が弱く、また、カルボマー自体の油性成分を溶かし込む力も乳液やクリーム単独のものと比較すると弱くなります。

 また、使用感に起因する課題もあります。ジェル状の成分は肌に塗りやすいのですが、塗った時の感触として保湿感が強く、少量塗っただけで十分な水分が補給されたと錯覚してしまいます。使用する際は説明書き等をよく読み、適量をなじませるようにすることが大事です。

 これらの課題は日々の開発で改善されつつあります。以前のオールインワンコスメはあくまでも「お泊り用」や「時短用」のアイテム扱いでしたが、機能が改善され、化粧水や美容液等を単品で使用した場合と遜色のない商品が相次いで開発されており、メーカーでも積極的に宣伝を行うようになりました。選んで組み合わせる楽しみは減ってしまうかもしれませんが、将来的にはオールインワンコスメ1本でのスキンケアが主流になる日が来るかもしれません。

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