電気シェーバーの「専用オイル」の成分とは?どうして「専用」なの?

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電気シェーバーの切れ味、悪くなっていませんか? 

 貴方は電気シェーバーをお持ちでしょうか。電気シェーバーはヒゲの濃い男性の方であれば毎日のシェービングに、そうでない方であればいわゆる「ムダ毛」のお手入れに、何かと便利な存在です。いわゆる「T字カミソリ」と比較すると深剃りこそ苦手ですが、その分肌に負担をかけずに使うことができます。製品のレパートリーも手頃なものから「6枚刃」のような本格的なものまで様々で、予算や必要性に合わせて選ぶことができます。

 何かと便利な電気シェーバーですが、実は他の家電と比べてこまめな「手入れ」が必要です。使用の都度、あるいは定期的に洗っている方は多いと思いますが、それと同じ位重要なのが「注油」です。オイルをシェーバーに注入することによって、「油切れ」によってぎこちなくなった刃の動きを滑らかにしたり、摩耗を防いだりすることができ、シェーバーを長持ちさせることが可能です。また、シェーバーを販売しているメーカーの多くは自社向けの製品に使う「専用オイル」を販売しており、月に数回程度の使用を推奨しています。この「専用オイル」はどんな成分によって構成されているのでしょうか。

専用オイルの主成分「流動パラフィン」(ミネラルオイル)

 様々なメーカーが「専用オイル」を販売していますが、そのほぼ全てにおいて「流動パラフィン」と呼ばれる成分が主成分として使用されています。流動パラフィンはミネラルオイルの別名でも知られており、石油を精製して得られる常温で無色透明の液体状の成分です。一般的に「油」と呼ばれる物質の中では粘度が少ない、さらさらとした感触で知られており、機械の潤滑油としても良く知られた成分の1つです。

 「石油由来の成分」「機械の潤滑油」と聞くとその安全性が気になります。しかし、ミネラルオイルは化粧品成分としてメイクアップやクレンジング、ヘアケアなどのあらゆる分野で利用されているものであり、安心して利用することができます。肌に直接つけても刺激を感じることがなく、長期間保存しても酸敗を起こさない流動パラフィンの性質は、肌に毎日触れるシェーバーへの利用にもとても適しています。また、専用オイルには他にシェーバーの殺菌を行うための成分として、エタノールやイソプロピルメチルフェノールなどが含まれていますが、これらも化粧品成分として大変馴染み深いもので、使用することで雑菌などの増殖による肌の炎症のリスクを減らすことができます。

 専用オイルを塗ることにより、シェーバーの使い勝手は大きく向上します。潤滑油が肌と機械の間の摩擦を減らすことにより、ヒゲや「ムダ毛」を切りやすくするだけではなく、摩擦熱による肌へのダメージや刃の摩耗を軽減することができます。また、オイルに含まれる殺菌成分の効果により、雑菌による肌のトラブルも減らすことができるでしょう。

どうして「専用オイル」「流動パラフィン」なの?

 肌に負担の少ない油は流動パラフィンだけではなく、オリーブ油や菜種油、ツバキ油など様々なものがあり、こちらも化粧品成分としてもお馴染みです。その中で、どうしてミネラルオイルだけがシェーバー向けの潤滑油として使われているのでしょうか。その理由としては大きく分けて「酸化安定性」「粘度」の2つが挙げられます。

 「酸化安定性」は化粧品にとっても重要な要素ですが、シェーバー向けのオイルにはより求められる性質です。化粧品であれば肌につけた後、毎日の洗顔や入浴などで洗い流すことができますが、シェーバーの潤滑油は「機械につけたまま、長期間使用する」ことを想定しており、酸敗によって臭いが発生したり、肌への刺激となったりすることは避けなければいけません。天然由来の菜種油やオリーブ油やツバキ油などは流動パラフィンに比べて酸化されやすいため、シェーバー向けのオイルにはやや不向きです。

 また、機械の潤滑油としては適切な「粘度」も求められます。一般的に植物由来のオリーブ油やツバキ油は常温では粘性が強く、冬場には固まってしまうこともあるため、シェーバーを動作させるための「潤滑油」としては不向きです(ツバキ油は「剃刀」の手入れには良いのですが、「電気」シェーバーには向きません)。また、粘度の低いグレープシードオイルや市販の流動パラフィンは使えないこともないのですが、先述の酸化安定性や不純物の問題があり、また、メーカーはそもそも専用オイルの粘度に合わせて機械を設計しています。販売終了になってしまった場合は試してみても良いかもしれませんが、基本的には専用オイルを使うことを推奨します。

もうひと手間で「もっとキレイ」に

 このように、シェーバーの専用オイルは「肌に負担をかけることなく」「電気シェーバーの使い心地を維持する」ことを目的として、メーカーが開発した便利なアイテムです。市販の機械油や流動パラフィンと比べると確かに割高ですが、肌に優しいことに加えて「替刃を長持ちさせる効果がある」ことを考えると、ノーメンテで使ったり、適当なもので代用したりするのではなく、専用品を購入してこまめに手入れをした方が良いでしょう。最近では男性向けのシェーバーを中心に、自動で洗浄と注油を行ってくれる製品も存在します。

 シェーバーは私達の「身だしなみ」「小綺麗さ」を支える重要な製品です。だからこそ、製品を選ぶときだけではなく、そのメンテナンスにも目を向けてみてはいかがでしょうか。そのひと手間が、私達をもう少しだけ「キレイ」にしてくれることでしょう。

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