使用の目的:バリア機能の改善、乳化剤
類似した成分:コレステロール、シトステロール
ダイズステロールとは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C29H50Oで表されるステロールの一種であるシトステロールを主成分としています。常温では白色の結晶状の固体で、水には溶けにくい一方、アルコールやエーテル、油性成分とは馴染みやすい性質を持っています。工業的には大豆油を生成した際の副産物として、抽出して得ることができます。
特筆すべき性質としては肌のバリア機能の改善効果が挙げられます。ダイズステロールは肌を構成している成分の1つであるコレステロールと組成が類似していることから肌と馴染みやすく、表面からの水分蒸発を防いだり、皮膚を軟化させ、他の成分を馴染ませやすくしたりする効果があります。また、ダイズステロールは親油性の乳化作用も持っているため、親水性の乳化剤と合わせて使用することにより、製品の安定性を高めます。
天然の植物由来の成分で肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、大豆は穀物として大量生産が可能であり、大豆油等の副生成物として得られるため、持続可能性の面でも優れています。しかし、大豆由来の抽出物であり、アレルギー反応の原因となる成分が含まれている可能性があるため、大豆アレルギーの方は若干の注意が必要です。
類似した成分としてはコレステロールが挙げられます。コレステロールはステロールの一種で、ダイズステロールと同様にバリア機能の改善や乳化作用を期待して配合されています。コレステロールとダイズステロールはほぼ同じような作用を示しますが、コレステロールの方がアレルギー反応等のリスクが少ないため、より化粧品には多く取り入れられています。
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