使用の目的:安定剤、皮膜形成、増粘剤
類似した成分:キャンデリラロウ、ハチミツ
ミツロウとはメイクアップ製品やヘアケア製品に広く利用されている成分で、炭素数16の飽和脂肪酸であるパルミチン酸と炭素数24-32のアルコールのモノエステルを主成分としています。ビーズワックスと呼ばれることもあり、常温では薄黄色~黄褐色のロウ状の固体で、水やミネラルオイルに全く溶けない一方、熱したエタノールやエーテル、植物油とは比較的馴染みやすい性質を持っています。製法としてはミツバチの巣から蜂蜜を採取後、残ったものを採取、精製することによって得られます。
特筆すべき性質としては基剤成分としての使い勝手の良さが挙げられます。ミツロウは様々な油性成分と馴染みが良く、また、他のワックスと比較して柔らかく、肌につけた際の感触に優れているため、メイクアップ製品やヘアケア製品の基剤成分として広く用いられています。また、香りに関しても優れており、独特の甘い香りは心地よさを感じさせます。
天然由来で食品としてもお馴染みの成分であること、また、肌への刺激性も低いことから安心、安全に利用可能な成分です。また、ワックスの中では比較的植物油に近いため、肌の保湿や保護のためにも利用することができます。しかし、スタイリング剤として利用した場合はやや落ちにくく、また、ハチミツと同様の原料を使用しているため、乳児への使用には若干の注意が必要です。
類似した成分としてはキャンデリラロウが挙げられます。キャンデリラロウはミツロウと同様に天然由来のワックスで、化粧品の基剤として利用されますが、ミツロウと比較してやや硬く、光沢性も高いため、化粧品の形を保ったり、使用後の見栄えを良くしたりする目的で配合されます。また、長時間同じ形を保持するため、スタイリング剤にはより好んで配合されます。
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