ステアラルコニウムヘクトライト

成分

使用の目的:増粘、懸濁剤

類似した成分:ジステアルジモニウムヘクトライト、ジステアラルコニウムヘクトライト

 ステアラルコニウムヘクトライトとは油性化粧品に幅広く利用されている成分で、ヘクトライトを原料として得られる有機変性粘土鉱物の一種です。ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトと呼ばれることもあり、常温では粉末状の物質で、水に溶けにくく、油と混和する性質を持っています。工業的にはヘクトライトとステアラルコニウムクロリドを反応させることによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた増粘作用が挙げられます。原料であるヘクトライトは水性環境下で優れた増粘作用を発揮する一方、油性環境では作用を発揮しませんが、陽イオン界面活性剤であるステアラルコニウムクロリドを導入することにより、油性環境下でも分散するようになり、増粘剤としての役割を果たします。また、この成分は優れたチキソトロピー性を示すため、化粧品の使用感を大いに向上させます。

 原料であるヘクトライト、ステアラルコニウムクロリドはいずれも安全性の高い成分で、それらを組み合わせた当成分の安全性も高くなります。また、油性成分を均一に分散させる性質に優れており、いわゆる懸濁剤としても広く利用されています。しかし、水に溶けないため化粧水などの水性化粧品にはあまり配合されません。

 類似した成分としてはジステアルジモニウムヘクトライトが挙げられます。ジステアルジモニウムヘクトライトはステアラルコニウムヘクトライトと同様にヘクトライトを原料とする有機変性粘土鉱物で、油と馴染みやすい増粘剤として用いられています。両者は似たような性質を持っていますが、若干物性等が異なるため、利用目的に合わせて使い分けがされています。

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