使用の目的:使用感の向上、美白作用
類似した成分:グレープシードオイル、ヒマワリ種子油
リノール酸とは一部のメイクアップ製品を中心に利用されている製品で、化学式C18H32O2で表される高級不飽和脂肪酸の一種です。リボソーム化したものはリノール酸Sとも呼ばれ、リノール酸は常温では無色もしくは薄黄色の透明な液体で、水にほとんど解けず、エタノールやアセトンと馴染みやすい性質を持っています。工業的にはヒマワリ種子油やコーン油から抽出することにより、容易に得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた使い心地が挙げられます。リノール酸は不飽和度の高い脂肪酸であり、肌や髪へのつけ心地が軽く、よく延びることが特徴です。そのため、化粧品に配合するとその使用感を大きく向上することができます。また、リボソーム化されたリノール酸は肌につけるとメラニン色素を合成する酵素チロシナーゼの分解を促進することが知られており、シミやソバカスの発生をよく防ぎます。
天然由来で食用としてもお馴染みの成分で、肌への刺激性や毒性もなく、安心して利用できます。また、他の脂肪酸と比較して融点が低く、固まりにくいこともメリットです。しかし、リノール酸は他の脂肪酸と比較して酸化されやすいため保存性に劣り、ビタミンEなどの酸化防止剤を添加することによって改善こそされるものの、化粧品成分としてはややデリケートな存在です。
類似した成分としてはヒマワリ種子油が挙げられます。ヒマワリ種子油はリノール酸を主成分としており、化粧品の基剤として、あるいは使用感を向上させる目的で利用されますが、酸化防止剤としてのビタミンEや不飽和度の低い脂肪酸であるオレイン酸を豊富に含んでおり、やや酸化に強いことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で配合されていますが、ヒマワリ種子油のほうがより好んで利用されています。