使用の目的:収れん作用
類似した成分:塩化アルミニウム
クロルヒドロキシアルミニウムは一部のスキンケア製品や制汗剤に使用されている成分で、塩化アルミニウムを部分中和することによって得られるアルミニウム錯体の一種です。常温では白色の粉末状の固体で、水に溶けやすく、エタノールや油分に溶けにくい性質を持っています。
特筆すべき性質としては毛穴を引き締める収れん作用が挙げられます。クロルヒドロキシアルミニウムを含む化粧品を肌に塗ると皮脂のタンパク質を凝固させることによって毛穴が狭くなるため、皮脂や汗の分泌が抑えられます。この作用はミョウバン等の幾つかの成分が持ち合わせていますが、クロルヒドロキシアルミニウムは毛穴に入り込み、汗を出す管を水酸化物のゲルを作ることによって閉塞するため、より高い効果を発揮します。
制汗剤としてはかつて塩化アルミニウムが広く用いられてきましたが、刺激性が高く、肌荒れや衣服の痛みの原因となっていたため、より肌への負担が少ない成分として開発されました。クロルヒドロキシアルミニウムの肌への刺激は十分に低いため、安心、安全に利用することができます。また、過去に発がん性やアルツハイマー病への関与が心配されましたが、今日では否定されています。しかし、塩化アルミニウムと比較すると制汗作用自体はやや劣ります。
クロルヒドロキシアルミニウムは類似した成分の塩化アルミニウムと比較してよりpHが中性に近く(弱塩基性)、また、毛穴をより表皮に近い場所で閉塞します。したがって、収れん効果や制汗作用は穏やかですが、肌への刺激が少なくなります。その為、今日では医療用としては塩化アルミニウム、化粧品用としてはクロルヒドロキシアルミニウムが選択されて利用されています。
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