酢酸エチル

成分

使用目的:ネイルマニキュア、リムーバー向けの溶剤

類似した成分:アセトン、炭酸プロピレン

 酢酸エチルとはネイルマニキュアやリムーバー等に使用される成分で、化学式C4H8O2で表されるエステルの一種です。常温では無色透明の液体で、エタノールやエーテルとは任意の割合で馴染み、水とも比較的馴染みやすい性格を持っています。パイナップルやイチゴにも含まれている成分ですが、工業的にはエチレンからアセトアルデヒドを合成し、アセトアルデヒドから転換して合成する方法が一般的です。

 特筆すべき性質としては優れた溶剤としての機能が挙げられます。酢酸エチルは多くの成分を溶かし込みますが、化粧品に使用可能な成分としては特にネイルの主成分であるニトロセルロースや樹脂を溶かす性能に優れており、ネイル製品に好んで用いられます。また、ネイルのリムーバー目的で、アセトンより低刺激の成分として比較的高濃度で使用されることがあります。

 食用の植物に広く含まれており、食品添加物にも使用されている成分であることから、化粧品に配合されている濃度では安全に使用可能な成分です。しかし、若干肌への刺激性があること、特有の臭いがあることから、高濃度で配合した場合、製品の使用感を損ねてしまいます。

 類似した成分としてはアセトン及び炭酸プロピレンが挙げられます。アセトンはリムーバーの成分として酢酸エチルよりも広く用いられていますが、その作用が酢酸エチルと比較して強く、使用時に皮膚の水や油を奪ってしまうことが問題とされています(使用自体に問題はありませんが、使用後のケアが必要です)また、炭酸プロピレンは酢酸エチルと同様にネイルのリムーバーとして用いられることもありますが、粘土鉱物の相性が良いため、メイクアップ化粧品向けの溶剤やヘアマニキュアのリムーバーとして好んで用いられます。

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