使用目的:抗菌作用
類似した成分:カプリルグリコール
ペンチレングリコールとは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C5H12O2で表されるグリコールの一種です。常温では無色透明の液体で、水性成分、油性成分いずれともよく馴染みます。工業的には石油から合成された酸化プロピレンを原料として合成する方法が一般的ですが、サトウキビやトウモロコシを原料としたものも流通し始めています。
特筆すべき性質としては抗菌効果の高さが挙げられます。ペンチレングリコールは1,3-ブチレングリコールやプロピレングリコールといった他のグリコール類と比較して低濃度で優れた抗菌効果を発揮するため、化粧品に配合することにより、防腐剤のパラベンやフェノキシエタノールの使用量を減らすことが可能です。また、構造上のヒドロキシル基に起因する保湿効果も持ち合わせています。
低濃度で抗菌効果を発揮し、肌への刺激性も少ないため、基本的には安心、安全に利用できる成分です。市販もされており、手作り化粧水向けの防腐剤としても使用できます。また、とろみのないさらさらとした感触は化粧品の使い心地を損ねません。しかし、保湿効果や溶媒としての性能はペンチレングリコールや1,3-ブチレングリコールに及ばず、抗菌作用以外の目的ではやや使いにくい成分です。
類似した成分としてはカプリルグリコールが挙げられます。カプリルグリコールはペンチレングリコールと同様に抗菌目的で主に用いられますが、より低濃度でも優れた抗菌作用を発揮します。しかし、ペンチレングリコールと比較して炭素鎖が長くなるため水にやや溶けにくく、主に油性の化粧品に用いられます。
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