使用目的:保湿成分、肌のバリア機能の回復
類似した成分:アスパラギン酸
グルタミン酸とはスキンケア、ヘアケア商品に幅広く含まれている成分で、化学式C5H9NO4で表されるアミノ酸の一種です。グルタミン酸として一般的に表記される成分はl-グルタミン酸ですが、光学異性体(鏡写しの構造を持った分子)であるd-グルタミン酸も存在し、目的を持って使用する場合は区別して表記します。常温では白色の粉末状で、水に若干溶け、アルコールや油分には殆ど溶けない性質を持っています。旨み調味料の主成分としても有名で、工業的には主にサトウキビを発酵させて合成されます。
グルタミン酸は他のアミノ酸と同様に水分を保持する構造を持っており、また、空気中の水分を吸収するため、肌に塗ると保湿作用を発揮します。また、グルタミン酸は比較的皮膚に吸収されにくい物質ですが、肌荒れに悩まされているような状態では吸収されやすく、失われた保湿機能を補います。これらはl体、d体いずれのグルタミン酸にも共通した性質ですが、d-グルタミン酸には肌のバリア機能の修復を助ける作用があることが明らかになっています。
化粧品や薬品だけではなく、調味料としても有名で広く使われている成分であること、肌への刺激性もないことから安心、安全に使用することが可能な成分です。また、大量生産が可能であること、グルタミン酸を原料から直接合成可能であることから、安定供給の観点からも優れています。そのまま使用する以外の用途としては、アミノ酸シャンプーの洗浄成分であるココイルグルタミン酸Na等を合成するための原料として使用されることがあります。
類似した成分としてはアスパラギン酸が挙げられます。アスパラギン酸はグルタミン酸と同様に酸性を示すアミノ酸に分類され、アミノ酸に共通の保湿作用を示しますが、d体固有の作用が異なっています。d-アスパラギン酸に関しては肌に塗るとコラーゲン繊維を束ね、弾力性を向上させる効果が確認されています。
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