水酸化カリウム(K)

成分

使用目的:セッケンの製造、pH調整

類似した成分:水酸化ナトリウム

水酸化カリウムとは化粧品に幅広く配合されている成分で、化学式KOHで表される金属水酸化物の一種です。一般的には苛性カリと呼ばれることもあります。常温では白色の固体で、固体のまま空気中に放置すると水分を吸収して水溶液となります。工業的には食塩にも含まれる塩化カリウムを電気分解することによって得られます。

水酸化カリウムは水溶液の状態では強アルカリ性を示し、人体への刺激性が強いため毒物及び劇物に指定されています。そのため、化粧品に使用する場合は他の成分とあらかじめ反応させ、刺激性を抑えたものが用いられています(反応させた状態の水酸化カリウムは安全性が高く、食品や医薬品用途でも用いられています)。代表的な利用例は水酸化カリウムを油脂や脂肪酸と反応させて中和し、石鹸として用いる方法です。この方法で作られたセッケンは弱アルカリ性の液体で水と馴染みやすく、汚れを落とす作用にも優れています。

また、水酸化カリウムは化粧品のpHを調整する目的でも使用されます。化粧品の成分の中にはpHによって性質が変化するため、一定の範囲に保つ必要があるものが存在します。水酸化カリウムは中和された状態では多くの場合弱アルカリ性を示し、かつpHの変動を抑える働きを持つため、添加することによって化粧品の品質を安定に保つことが可能です。

 類似した成分としては水酸化ナトリウムが挙げられます。水酸化ナトリウムは水酸化カリウムと同様の中和及びpH作用を持ち、より広く利用されていますが、油脂や脂肪酸と反応させてセッケンを合成した場合、融点がより高いため常温では固体となるため、製品の用途に応じて使い分けがされています。

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