使用目的:抗炎症作用
類似した成分:カンゾウ抽出液、トラネキサム酸、アラントイン
グリチルリチン酸2Kとはスキンケア、ヘアケア分野の化粧品に広く使用されている成分で、化学式C42H60K2O16で表される常温では白色の粉末状の物質です。正式名称はグリチルリチン酸ジカリウムと呼ばれており、また、カンゾウ抽出物の主成分でもあります。工業的にはカンゾウ抽出物からグリチルリチン酸を精製し、水に溶けやすいカリウム塩として処理することによって得られます。
特筆すべき作用としては皮膚の炎症を抑える効果が挙げられます。日焼け等によってダメージを受けた肌においては炎症性サイトカインやプロスタグランジンE₂が生成し、炎症の発生、悪化の原因となりますが、グリチルリチン酸2Kが含まれた化粧品を肌に塗ることによってプロスタグランジンE₂の生成を抑えられるため、炎症を抑制することが可能です。また、グリチルリチン酸2Kには他の成分の皮膚に対する刺激やアレルギー反応を起こす物質であるヒスタミンの作用を抑える効果もあるため、広く外からの刺激に対して有効な成分です。
水に溶けやすく通常の濃度では毒性、刺激性も認められないため、安心して使用可能な成分です。しかし、医薬部外品における「ニキビを防ぐ」効果に関しては抗炎症作用によって「ニキビの炎症を抑える」作用にとどまるため、強い予防効果を期待する場合は洗顔や保湿の見直し、ニキビ予防により特化したイソプロピルメチルフェノール、フィトスフィンゴシン等が含まれた化粧品を使用する方が良いでしょう。
同様の抗炎症作用を持った成分としてはグリチルリチン酸の原料であるカンゾウ抽出液、美白成分としても有名なトラネキサム酸、抗炎症作用に特化したアラントイン等が挙げられます。それぞれ基剤成分との相性や効果の違いがあるため、目的に応じた使い分けがされています。
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