使用目的:保湿成分、使用感の向上
類似した成分:グリセリン、1,3-ブチレングリコール、トリグリセリル
ジグリセリンとはスキンケア化粧品に主に含まれている成分で、分子式O[CH2CH(OH)CH2OH]2で表されます。工業的にはグリセリンを水酸化ナトリウム水溶液に入れて加熱し、脱水縮合させることによって得られます。この方法ではグリセリンが複数重合したポリグリセリンが生成しますが、その中でもグリセリン2分子が結合したジグリセリンが多く生成します。
基本的な性質は原料であるグリセリンに準ずる形となり、保湿性に優れていますが、グリセリンと比較して極性が低く使用の際のべたつきが抑えられているため、より使用感を重視した化粧品ではジグリセリンの使用が好まれます。また、グリセリンはニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を助けてしまいますが、ジグリセリンに関してはその作用は認められないため、「グリセリンフリー」の化粧品の成分としても利用されます。
水に溶けやすく優れた保湿性と使用感、高い安全性を兼ね備えた成分ですが、比較的最近取り入れられた成分であること、原料であるグリセリンが十分に要望を満たしていることから、取り入れている製品は2021年現在では比較的少ない状況です。
基剤として使用される保湿成分としては1,3-ブチレングリコールも肌へのべたつきが少なく、アクネ菌の繁殖を助けない成分ですが、保湿効果はジグリセリンの方が高く、また、使用感が大きく異なります。また、グリセリンの誘導体としてはグリセリンをヤシ油から精製されるカプリル酸、カプリン酸を用いてエステル化したトリグリセリル(使用感の向上や保湿効果)、ポリグリセリンをエステル化させ、洗浄力の高さと低刺激性を両立させた洗浄成分として開発したポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられます。
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