使用目的:肌の保湿、肌のバリア機能の改善
類似した物質:ヒアルロン酸、コラーゲン、グルコシルセラミド(植物性セラミド)
セラミドとは化粧水や乳液、クリーム等に肌の保湿等を目的として含まれている成分で、スフィンゴ脂質の一種です。脂質内の塩基と脂肪酸の組み合わせにより、大きく分けて12種類に分類されます。肌の角質層の細胞間脂質の約50%がセラミドで占められており、ラメラ構造と呼ばれる層状の構造を形成することで、皮膚の保湿や外部からの刺激から皮膚を守るバリア機能の保持に重要な役割を担っています。肌に含まれるセラミドは加齢や界面活性剤の過剰な使用等で減少し、肌荒れの原因となります。
特筆すべき作用としては肌のバリア機能の改善が挙げられます。セラミドはヒアルロン酸やコラーゲンと同様の保湿作用を持っていますが、ヒアルロン酸やコラーゲンの分子が大きく、また肌の奥深くに含まれている成分であるため不足を直接的に補うことが不可能なのに対し、セラミドは分子が比較的小さく、表皮の角質層に存在する為、肌に塗ることによって成分を補充することが可能です。角質層に浸透したセラミドは単体では保湿効果のみにとどまりますが、コレステロールや脂肪酸と組み合わせて使用することで細胞間脂質のラメラ構造を補強する働きを持っています。また、生体に元々含まれている成分のため安全性も大変高く、安心して取り入れることができます。
セラミドについては肌自身が産み出すセラミドの量を増やす働きがあるといった記述が見られることがありますが、名称が類似したグルコシルセラミド(植物性セラミド)の効果となります。グルコシルセラミドはセラミドが合成されるための前段階の物質であり、化粧品の成分としては区別して使用されているため注意が必要です。直接的に肌の保湿、バリア機能を改善するセラミドと角質層を強化するグルコシルセラミドは製品の目的に応じた使い分けがされています。また、皮膚からの水分の蒸発を防ぐ効果についてはヒアルロン酸やコラーゲン、グリセリン等の方が優れているため、成分を組み合わせて使用されることが多いです。
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