トリクロロ酢酸

使用の目的:角質の除去

類似した成分:サリチル酸マクロゴール、グリコール酸

 トリクロロ酢酸とは美容皮膚科などのピーリングで利用されている成分で、化学式C2HCl3O2で表される酢酸誘導体の一種です。TCAとも呼ばれ、常温では白色の固体で、水やエタノールに溶けやすく、油とは馴染みにくい性質を持っています。工業的には酢酸に塩素分子を反応させることによって大量に合成可能です。

 特筆すべき性質としては強力な角質の剥離作用が挙げられます。トリクロロ酢酸は酢酸に塩素原子3つを置換させることでその酸性が強まっており、代表的な強酸として知られる塩酸に匹敵します。そのため、肌につけると角質層に深く浸透し、周囲の組織を剥離、溶解させ、肌のシミやくすみ、ニキビ跡などを治します。また、真皮層に働きかけてコラーゲンやエラスチンの産生を促進し、肌の再生を促す効果があることでも知られています。

 角質の剥離作用を持った成分の中ではその働きが際立って強く、一般的なAHAやPHAによるケアよりも高い効果を期待することができます。また、分子量が小さいため肌の奥深くまで浸透します。しかし、その作用はあまりにも強く、肌の状態によっては痛みや刺激を感じるだけではなく、火傷のような状態になってしまうため、セルフケアによる使用は危険で、美容皮膚科での施術を強く推奨します。

 類似した成分としてはサリチル酸マクロゴールが挙げられます。サリチル酸マクロゴールはトリクロロ酢酸と同様に角質を剥離する目的で、美容皮膚科での施術に用いられますが、マクロゴールの効果でその作用はやや穏やかになり、肌への刺激性がやや低くなります。いずれも化粧品成分としては刺激性が強いため、化粧品への配合は禁止、制限されています。

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