使用の目的:抗酸化作用
類似した成分:リン酸アスコルビルMg、ビタミンC
アスコルビルリン酸Naとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C6H9O9P.3Naで表されるビタミンC誘導体の一種です。APSと呼ばれることもあり、常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすい一方、アルコールや油分とは馴染みにくい性質を持っています。工業的にはアスコルビン酸(ビタミンC)をリン酸及びナトリウム塩と反応させ、エステル化することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた抗酸化作用が挙げられます。アスコルビルリン酸Naには肌のシミやくすみを防ぐ効果があることが知られていますが、原因となるメラニン色素の合成を助ける酵素であるチロシナーゼを阻害する、もしくは生成したメラニン色素を還元して分解する作用によるものです。また、アスコルビルリン酸Naは水溶性ビタミンC誘導体の中では比較的安定性に優れており、化粧品として使いやすい中性付近のpHでもその作用を失いません。
天然のビタミンC由来の成分で水と馴染みやすく、純粋ビタミンCと比較すると刺激性も低いため、安心して利用することができます。また、ビタミンC誘導体の中には「分解されない」ことによって本来の性質を発揮できないものがありますが、アスコルビルリン酸Naは酵素ホスファターゼの働きで比較的容易に分解されるため、ビタミンC本来の効果を期待することができます。しかし、ビタミンC誘導体の中ではやや刺激が強い部類になるため、肌の状態によっては使用に若干の注意が必要です。
類似した成分としてはリン酸アスコルビルMgが挙げられます。リン酸アスコルビルMgはアスコルビルリン酸Naと同様にビタミンC誘導体の一種で、化粧品に抗酸化作用を期待して用いられますが、アスコルビルリン酸Naより安定性が高く、やや水に溶けにくいことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています。