ワサビノキ種子油

成分

使用の目的:使用感の向上

類似した成分:オレイン酸、ベヘン酸

 ワサビノキ種子油とは化粧品に幅広く利用されている成分で、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸を主成分としています。モリンガオイルの名前でも知られており、常温では独特の匂いを持った淡黄色の液体で、水に馴染みにくく、油に馴染みやすい性質を持っています。工業的にはワサビノキ科の植物ワサビノキの種子を圧搾、抽出することによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては特徴的な使用感が挙げられます。ワサビノキ種子油は肌の皮脂に近い成分であるオレイン酸を主成分としていますが、他に炭素数22の飽和脂肪酸であるベヘン酸を含んでいます。ベヘン酸は優れた乳化作用を持つことで知られているため、ややオイルとしては重みがあるものの、肌につけるとその使用感は軽く、ベタつきが少なく感じられます。

 天然由来で肌への刺激性や毒性もなく、安心、安全に利用可能な成分です。また、不飽和度の低いオレイン酸を主成分としていることから、酸化に対しても強いことが特徴です。しかし、ワサビ特有の匂いがあるため人によっては「青臭い」と感じることがあり、また、他のオイルと比較してやや高価です。

 類似した成分としてはオリーブ果実油が挙げられます。オリーブ果実油はワサビノキ種子油と同様にオレイン酸を主成分とした植物油で、化粧品の基剤として、あるいは使用感を向上させるために配合されていますが、ベヘン酸を含んでいない一方、パルミチン酸やリノール酸を多く含んでいます。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされていますが、生産量の多さから、オリーブ果実油の方が一般的に利用されています。

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