使用の目的 防腐剤
類似した成分 フェノキシエタノール
ソルビン酸とは様々な化粧品に配合されている成分で、化学式C6H8O2で表される有機酸の一種です。常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けにくく、エタノールやエーテルに溶けやすい性質を持っています。天然にはバラ科の植物ナナカマドに多く含まれ、工業的にはクロトンアルデヒドとケテンを反応させることによって合成したものが用いられています。
特筆すべき性質としては優れた防腐剤としての効果が挙げられます。ソルビン酸は酸性環境下でカビや酵母の増殖を抑える作用があるため、化粧品に配合することで、製品の腐敗を防ぐことができます。この効果は他の防腐剤と比較すると強くはないものの十分で、主にファンデーションやアイシャドウなどの製品を中心に利用されています。
食品添加物としてもお馴染みの成分で、肌への刺激性や毒性もほとんど認められていないことから安心、安全に利用可能です。また、発がん性が取り上げられたことがありましたが、特殊な条件で実験した結果を取り上げたもので、実際には心配ありません。しかし、アルカリ性の環境に弱い、細菌には効果が低い、といった欠点があるため、アイテムによっては他の成分が選ばれることがあります。
類似した成分としてはフェノキシエタノールが挙げられます。フェノキシエタノールはソルビン酸と同様にカビや酵母の増殖を抑える防腐剤として知られていますが、ソルビン酸と比較して若干の刺激性があるものの、水に溶けやすく、pHの影響を受けにくいことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされていますが、フェノキシエタノールの方が好んで用いられています。