使用の目的:抗炎症作用、抗酸化作用
類似した成分:カミツレ花エキス
ビサボロールとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C15H26Oで表されるセスキテルペンの一種です。常温では無色透明の液体で、水に溶けにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。伝統的にキク科の植物カモミールから抽出、精製することによって得られてきましたが、最近では工業的に合成したものも利用されるようになりました。
特筆すべき性質としては優れた抗炎症作用が挙げられます。ビサボロールの含まれた化粧品を肌につけると紫外線によって引き起こされる肌の紅斑を抑制することにより、炎症を鎮める効果が期待できます。また、ビサボロールには活性酸素を除去する、いわゆる「抗酸化作用」があることも知られており、炎症の発生自体を防ぐ効果も期待できます。
天然由来でメディカルハーブや医薬品としても利用されてきた成分で、安心、安全に利用可能です。また、海外ではメラニン色素の産生を抑制する、いわゆる「美白作用」がある成分としても知られています。しかし、ビサボロールの美白作用については日本国内では認められておらず、また、元々医薬品成分であったこともあり、化粧品への配合量は制限されています。
類似した成分としてはカミツレ花エキスが挙げられます。カミツレ花エキスはカモミールの花から抽出された成分で、ビサボロールの他にアポゲニン、ルテリオン等を含んでいます。いずれもスキンケア製品を中心によく利用されている成分ですが、カミツレ花エキスに含まれている他の成分の有用性も高いため、そちらの方がより一般的に利用されています。