ベビー用スキンケアミルクは大人用と何が違うの?成分の比較

敏感肌

ベビー用スキンケアミルクとは?

 柔らかく、シミ一つないみずみずしい赤ちゃんの肌、とても理想的な肌に見えます。特に赤ちゃんのお世話でお疲れ気味、肌の調子も今一つの時、こんな肌に自分も戻れたらなと思ってしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんの肌は見た目によらず、大変デリケートで荒れやすい性質を持っています。夏の暑い時期は汗を沢山かいてしまい、冬の寒い時期は乾燥に弱いため、こまめなケアが必要になります。

 こんな赤ちゃんの肌にとって必要な成分を補い、肌荒れを防ぐために開発されたものがベビー用スキンケアミルクです。スキンケアミルクは赤ちゃんの肌についた汗や汚れを洗い流し、肌を保湿するために使われます。大人向けにも肌の保湿のためのボディーミルクやボディーローションがありますが、赤ちゃん向けのものは赤ちゃんの繊細な肌質に合わせて、より刺激性の少ない、天然成分を豊富に含んだ処方になっています。

大人と赤ちゃんの肌の違い

赤ちゃんの肌の構造は基本的には大人の肌と変わりませんが、その厚さ自体が大人の約半分しかありません。皮膚の中には水分を逃がさないようにする構造や外部の刺激から身を守るための働きが備わっていますが、赤ちゃんの皮膚は十分な厚みがないためその機能を十分に発揮できません。母親の胎内にいる時は雑菌等からも守られ、また、胎脂と呼ばれるクリーム状の物質が肌表面の保湿機能を担っていますが、生まれた後はその皮膚で水分を保ち、身を守ってゆかなければなりません。生まれたばかりの頃は多くの皮脂が分泌されますが、3ヶ月を過ぎると、人生で最も肌が乾燥しやすい肌の状態を迎えてしまいます。

 また、赤ちゃんの肌は乾燥しやすい一方で、非常に汗をかきやすい性質があります。汗は皮膚に存在する汗腺から分泌されますが、赤ちゃんの小さな体に存在する汗腺の数は大人とほぼ同じのため、冬でも身体に対してとても多くの汗をかいてしまいます。その他にも、大人の肌の表面が弱酸性なのに対して赤ちゃんの肌の表面が中性に近く雑菌等が繁殖しやすいなど、大人と比較して常に皮膚のトラブルを起こしやすい状態にあります。こまめなケアを怠ってしまうと、あせもや湿疹等の原因となってしまいます。

大人用、赤ちゃん用のスキンケアミルクの成分比較

大人向けのボディーミルクは基本的には顔のスキンケアに使う乳液と同じような考え方で、主に肌の保湿を目的として開発されています。ボディークリームと比較するとやや油分が少なく軽い付け心地で、グリセリンやヒアルロン酸、セラミド等、表皮に浸透し、肌の保湿性を高めるための成分を含んでいます。また、保湿成分以外ではビタミンC誘導体やトラネキサム酸等の美白成分、アンチエイジングに効果のある成分使用感を上げるための香り成分等が含まれています。顔よりも肌が丈夫な場所への使用を想定しているため、肌への優しさよりも使用感や効果などが重視される傾向にあり、やや刺激性が強いものもあります。

 一方、赤ちゃん向けのボディーミルクは保湿を目的としている部分は共通ですが、何よりも肌への優しさを優先して開発されています。含まれている成分は製品によって異なりますが、大人用と同じ保湿成分に加えて赤ちゃんの胎脂に近い成分や植物由来の各種成分等、保湿だけではなく肌の環境を整えるための成分を含んでおり、その多くが肌の望ましいpHの状態である弱酸性で設計されています。また、赤ちゃんの敏感な肌に刺激を与える恐れのある香料やパラベン等の防腐剤、商品によっては石油化学系の成分をほぼ含まない処方のものが多く存在しています。パラベンや他の石油化学系の成分が必ずしも肌に悪い訳ではないのですが、より効果がマイルドであり、商品としてのイメージも高くなることからそのような設計がされています。

ベビーミルクを使ってみよう

このようなベビー用スキンケアミルクですが、しばしば商品の宣伝に「大人も使えます」との記載がされていることがあります。商品のパッケージはいかにも赤ちゃんの向けの可愛らしいデザインになっていて、大人が自分向けに使うには少しためらってしまうのですが、実際はどうなのでしょうか。

成分から見ると、ベビー用スキンケアミルクは敏感肌の方のためのスキンケアのアイテムとして非常に有用です。美白やアンチエイジング等の機能性は備えておらず、また、大人用のスキンケアミルクのような濃厚なフローラルな香りはあまり期待できませんが、肌に優しい弱酸性で刺激性の強い添加物も少ないため、敏感肌であっても、体だけではなく顔に化粧水代わりとしても使用することができます。また、スキンケアミルクの本来の目的である保湿についてはグリセリンだけではなくセラミドやスクワラン等、より高い保湿作用を持った成分も含んでいるためとても優秀です。また、大人用と比較して機能が絞られているためお手頃な製品が多く、試しやすいのもメリットです。

弱い立場の方を考えて作られたものは誰にとっても優しいものになる、という言葉をよく耳にしますが、化粧品に関しても同じことがいえます。もし貴方が肌のトラブルに悩んでいるようでしたら、刺激の強いものを使うのを一度やめて、誰にとっても優しい、ベビー用スキンケアミルクを使ってみるのも良いかもしれません。

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