使用の目的:水道水の消毒
類似した成分:次亜塩素酸ナトリウム
化粧品のトピックにおける「塩素」とは、主に水道水に含まれている成分で、化学式HClOで表される無機塩素化合物の一種です。正式には次亜塩素酸と呼ばれ、常温では水に溶けてイオンになった状態で存在しており、水やエタノールに溶けやすく、油に溶けにくい性質を持っています。工業的には水道水を消毒する過程で水に液体塩素、もしくは微量の次亜塩素酸ナトリウムを吹き混むことによって生成されます。
特筆すべき性質としては優れた殺菌効果が挙げられます。塩素(次亜塩素酸イオン)は極めて酸化力が高いため、多くの細菌等の細胞膜を破壊し、酵素を失活させることによって殺菌効果を発揮します。微量での殺菌効果が強く、また、コストも安く大規模な運用に向いているため、水道水の消毒には一般的に塩素が用いられています。
水道水に含まれている濃度であれば飲用及び生活用に安全な水準とされており、正常な状態の肌や髪を大きく刺激することもありません。また、手作り化粧水等を作る際に塩素が含まれた水道水を利用すると保存性を若干良くすることができます。しかし、肌や髪がダメージを受けている場合、少量の塩素であっても刺激を感じることがあるため、塩素が含まれない精製水や市販の化粧水でケアを行なった方がより安心です。
類似した成分としては次亜塩素酸ナトリウムが挙げられます。次亜塩素酸ナトリウムは塩素と同様に水道水の消毒に利用されることもありますが、製品に配合すると塩素よりもさらに強い殺菌効果を発揮します。肌への刺激性等がかなり強いため、化粧品には稀に利用される程度で、一部の除菌スプレーや漂白剤などの日用品に利用されています。
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