アクリレーツコポリマー

成分

使用目的:皮膜形成

類似した成分:(VP/VA)コポリマー

 アクリレーツコポリマーとはメイクアップ化粧品全般やネイルマニキュア等に使用される成分で、アクリル酸やメタクリル酸もしくはそのエステルで構成されるポリマーの一種です。常温では白色の固体で、水とも油とも馴染みやすい性質を持っています。工業的には一般的なアクリル重合と同様の手法を用いて合成されます。

 特筆すべき性質としては皮膜形成作用が挙げられます。アクリレーツコポリマーは水に溶けやすい性質を持っていますが、乾燥すると耐水性に優れた皮膜を形成します。この皮膜は優れた耐水性に加えて空気の透過性の良さ、皮膜自体の柔らかさを兼ね備えており、メイクアップ化粧品全般の耐水性を高める目的で使用されています。また、アクリレーツコポリマーのアンモニウム塩が使用されることがありますが、構造によっては粘着力が高くなるため、つけまつげ等の接着剤として使用されることもあります。

 肌への刺激も少なくアレルギー等の心配もないため、安心、安全に使用可能な成分です。しかし、広義のマイクロプラスチックの一種であり、生物によって分解されにくいため、河川や海洋に流出した場合、生態系への影響が懸念されています。溶剤に溶かし込んだ状態で使用されるため、現状では使用自粛の動きはないものの、今後の研究によっては状況が変わる可能性があります。

 類似した成分としては(VP/VA)コポリマーが挙げられます。(VP/VA)コポリマーはアクリレーツコポリマーと同様に皮膜を形成しますが、より皮膜の粘性が高いこと、また、カルボマー等の増粘剤と馴染みやすいことが特徴です。化粧品ではその特徴を活かし、ヘアスタイリング剤等に好んで使用されています。

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