使用目的:ネイルマニキュアの皮膜形成
類似した成分:アクリレーツコポリマー
ニトロセルロースとはネイルマニキュア等に使用される成分で、化学式(C6H7(NO2)3O5)nで表される硝酸エステルの一種です。常温では白色の綿状の固体で(その形状から硝化綿と呼ばれることもあります)、水に溶けにくく、酢酸エチル等のエステルやケトンに溶けやすい性質を持っています。工業的にはセルロースを硝酸と硫酸で処理することによって得られます。
特筆すべき性質としては皮膜形成作用が挙げられます。製品としてのネイルマニキュアに求められる機能として、色鮮やかさに加えて爪への塗りやすさや適度な光沢感、硬さが挙げられますが、ニトロセルロースはアセトンや酢酸エチル等の溶剤や顔料成分と馴染みやすいため爪に塗りやすく、乾燥するとツヤのある硬い被膜を形成します。また、この皮膜はアセトン等の溶剤で容易に除去可能なため、ネイルオフも簡単です。
肌への刺激も少なくアレルギー等の心配もないため、化粧品としては安全に使用可能な成分です。しかし、純粋なニトロセルロースは自然発火する性質を持っており、また、アセトンや酢酸エチルも引火性が極めて高いため、自身でネイルやネイルオフを行う際は換気を十分に行い、引火の原因となるガスやストーブ、タバコの火については予め消しておく必要があります(ネイルサロンが火気厳禁となっているのもその為です)。
類似した成分としてはアクリレーツコポリマーが挙げられます。アクリレーツコポリマーはネイルマニキュアの皮膜形成成分としても使用されますが、ニトロセルロースと比較するとより柔らかく、肌の質感を損なわない皮膜を形成するため、メイクアップ化粧品全般の耐水性を高める目的で使用されています。
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