使用の目的:抗酸化作用、保湿、抗炎症作用
類似した成分:豆乳発酵液、ダイズイソフラボン
ダイズ種子エキスとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、イソフラボンの一種であるゲニステイン、ダイゼイン、テルペノイドの一種であるサポニン、アミノ酸等を含んでいます。常温では黄色の液体で、工業的にはマメ科の植物ダイズの種子から水やBGを用いて有効成分を抽出することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた抗酸化作用が挙げられます。ダイズ種子エキスの主成分であるゲニステインやダイゼインはいわゆる「ポリフェノール」に分類される物質で、構造内に活性酸素の除去作用のあるカテコール構造と呼ばれる仕組みを持っています。そのため、化粧品にシミやくすみ、シワの発生を予防する目的で配合されています。また、サポニンには抗酸化作用に加えて抗炎症作用、アミノ酸には保湿作用があるため、そのような目的でも化粧品に用いられています。
天然由来で食品としても馴染みの成分で、化粧品に配合される濃度では肌への刺激性や毒性もほとんどないため、安心、安全に利用可能です。また、ダイズ種子エキスの主成分であるイソフラボンには女性ホルモンに似たような作用があるとも言われており、肌荒れやニキビを予防する効果を期待して利用されることもあります。しかし、この作用については未解明な部分もあり、一部の国や地域では「女性ホルモンのような作用」の安全性について懸念する声も上がっています。
類似した成分としては豆乳発酵液が挙げられます。豆乳発酵液はダイズ種子エキスと同様にダイズ由来の成分で、主に抗酸化作用を目的として用いられますが、「発酵」を経ることによってより多様性に富んだアミノ酸、ペプチドを含んでおり、肌や髪のダメージ修復やターンオーバー促進にも効果があると言われています。現時点ではダイズ種子エキスの方がより一般的ですが、より効果が期待できる成分として、豆乳発酵液も注目されるようになっています。