使用の目的:保湿、使用感の改善
類似した成分:硫酸マグネシウム、海水
塩化マグネシウムとは化粧品に幅広く利用されている成分で、化学式MgCl2で表されるマグネシウム塩の一種です。料理などに利用するにがりの主成分としても知られており、常温では白色の結晶状の物質で、水やエタノールに溶けやすく、油に溶けにくい性質を持っています。工業的には海水から食塩(塩化ナトリウム)を生産する際の副産物として大量に得ることが可能です。
特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。塩化マグネシウムには潮解性(空気中の水分を取り込んで溶ける作用)があり、肌につけると強い保湿作用を発揮しまします。また、キサンタンガムをはじめとした増粘剤と組み合わせて利用すると使用感が改善することでも知られており、その目的でも広く用いられています。
食品添加物としてもお馴染みの成分で、適量を利用する分には肌への毒性もほとんどないため、安心して利用できます。また、保湿作用を持った成分としてはべたつきが少なく、夏場にも心地よく使うことができます。しかし、若干の刺激性があるため敏感肌の状態では利用を控えた方が良く、また、以前「健康に効果的な製品」として飲用が勧められたことがありましたが、現時点では十分に効果が立証されていません。
類似した成分としては硫酸マグネシウムが挙げられます。硫酸マグネシウムは塩化マグネシウムと同様に化粧品に利用されているマグネシウム塩として知られており、塩化マグネシウムと同様の保湿効果もある程度期待できますが、皮膜形成による保温や界面活性剤の安定化など、より多くの効果も持ち合わせています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされていますが、利用用途の多さから、硫酸マグネシウムの方がより広く用いられています。